橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

MENU

電験三種の電気数学-15

amazon kindle版の「電験三種の電気数学」に関する本を出版しました。

そちらも見て下さい。

 

数字の基礎、積分です。
 


1. 不定積分

 積分微分の逆の操作をします。
関数$F(x)$を微分すると$f(x)$になるとき、$F'(x)=f(x)$であるので、これを積分すると次のように表されます。
$\int f(x) dx=F(x)+C$
ここで、$C$:積分定数、$\int $はインテグラルと読みます。

$F(x)=x^2+2x+1$を微分すると
$F'(x)=2x+2$となります。これを積分すると
$\int F'(x) dx=x^2+2x+?$
となります。
この?は$x=-1$のとき$F(x)=0$というような、何か条件がないと定まりません。このため積分定数$C$を用いて積分した式を表しています。
$\int F'(x)dx=x^2+2x+C$

不定積分を行うときは積分定数を必ず付けてください。

一般的に積分は次のように表されます。

$\int x^n dx=\dfrac{1}{n+1}x^{n+1}+C$
積分の性質は次のように表されます。


 定数はくくり出すことができます。
$m \int f(x)dx=\int m f(x) dx$($ m $は定数)
 積分内の足し算引き算は別々に計算できます。
$\int {f(x) \pm g(x)}dx=\int f(x)dx \pm \int g(x)dx$

 

2.定積分
 定積分積分区間$\alpha $から$\beta$までの$x$軸からの面積を求めることと考えて良いでしょう。
 $F'(x)=f(x)$の関係があり、積分区間$\alpha$から$\beta$までの定積分は次のように求めることができます。
 $\int_\alpha^\beta f(x) dx=[F(x)]_\alpha^\beta=F(\beta)-F(\alpha)$
このとき、積分定数Cは打ち消されるので、Cは記述しません。

 

また、定積分の性質は次のように表されます。
不定積分と同じように、定数をくくり出すことができます。

 $ m \int_\alpha^\beta f(x) dx=\int_\alpha^\beta m f(x) dx$

 関数の足し算・引き算は別々に計算できます。

$\int_\alpha^\beta {f(x) \pm g(x)}dx=\int_\alpha^\beta f(x)dx \pm \int_\alpha^\beta g(x)dx$

積分範囲を入れ替えると前にマイナスがつきます。
$  \int_\alpha^\beta f(x) dx=-\int_\beta^\alpha f(x) dx$
積分範囲を$\alpha$から$\beta$までを$\alpha$から$\gamma$と$\gamma$から$\beta$とに分けても結果は同じです。

$  \int_\alpha^\beta f(x) dx=\int_\alpha^\gamma f(x) dx+  \int_\gamma^\beta f(x) dx$

$\gamma$はガンマ

 

3. 面積
 積分では面積を求めることになります。しかし、$x$軸の上側は正の値、$x$軸の下側は負の値になりますので、注意が必要です。
 図のように、$f(x)=x^3-4x$の場合、
$x$軸より上側の$-2$から$0$は正の値

$  \int_{-2}^{0} (x^3-4x) dx=4 \gt 0$

$x$軸より上側の$0$から$2$は負の値

$  \int_{0}^{2} (x^3-4x) dx=-4 \lt 0$

となります。よって、$x$軸より下の場合はマイナスを付けて計算します。積分範囲に符号が変わる箇所がある場合は、積分を分けて計算する必要があります。


また、2つの関数f(x)とg(x)の間の面積は差をとって積分します。

$  \int_\alpha^\beta [f(x)-g(x)] dx

ただし、$\alpha$から$\beta$間は$f(x) \gt g(x)$とします。
 $f(x)$と$g(x)$の大小関係が入れ替わるときは、大きい方から小さい方を引くようにして入れ替わった範囲で積分をして計算します。

 

f:id:hashi-rei-channel:20200209171739p:plain