電験三種の電気数学-1
amazon kindle版の「電験三種の電気数学」に関する本を出版しました。
そちらも見て下さい。
数学とか物理とかは自然現象を簡単な数式に置き換えて、人類(宇宙でも)共通の言語と言われるくらい必要でしかもシンプルにできているはずなのに、なんで難しいんでしょうね。
電験三種に出てくる数学の基本をすこしずつ勉強してみましょう。
まずは、数学の基本変数です。
数学の勉強の前に「変数」について考えてみましょう。まずは、小学校で「つるかめ算」を勉強したと思います。このつるかめ算の典型的な問題を、解いてみましょう。
例題1-1 ツルとカメが10匹います。足の数は全部で32本です。ツルとカメはそれぞれ何匹でしょう。という問題です。
これは、小学校では、面積図を使って答えを求める方法があります。
足の数4本のカメの数は図の黄色の箇所です。
足の数2本のツルの数は図の水色の箇所です。
もし、全部カメの場合足の数は40本になります。題意から足の数は32本なので、図の斜線箇所8本不足しています。この斜線部分は、足の数2本のツルの数と同じなので、ツルの数は8÷2=4匹カメの数は10-4=6匹となります。
この方法を使えば、足の数が分かれば、2つの種類の匹数を求めることができます。
最近の小学生って難しい計算方法を習っているのですね。
このぐらいの数だったら、表を作るとすぐ求めることができます。
カメ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
ツル | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
合計 | 22 | 24 | 26 | 28 | 30 | 32 | 34 | 36 | 38 |
中学生くらいになると、方程式を習うので簡単に解けますね。
ここで、カメの数を$x$、ツルの数を$y$とおくと
$ x+ y=10$
$4x+2y=32$
となり、この連立方程式を解いて、$x=6$,$y=4$となります。
ところで、$x$はなぜ変数なのでしょう。記録に残っているのはデカルトが最初に使ったようです。このあたりは、諸説いろいろあり、$x$がなぜ変数と使われ始めたのかは定かではありません。TEDに$x$に関する面白いビデオがありますので、このあたりも参考になるでしょう。
さて、電気で用いる電流$I$や電源電圧$E$などいろいろな変数や定数、単位などが盛りだくさんになっています。それぞれ意味があるのですが、電流のアンペアはフランスのアンペール、抵抗の単位のオームは、ドイツのゲオルク・ジーモン・オームです。日本人名が単位になっているのはないかと調べると、竜巻などの突風の風速を計る藤田スケール(Fスケール)があります。