橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種の電気数学-14

amazon kindle版の「電験三種の電気数学」に関する本を出版しました。

そちらも見て下さい。

 

数字の基礎、微分です。
 


1. 微分係数
 図のように2次関数$y=a x^2+bx+c$として、$y=f(x)$とおきます。このとき、$y=f(x)$上の2点$\alpha ,\beta$を図のようにおくと、この2点間の平均変化率は次のように表されます。

$\dfrac{f(\beta)-f(\alpha)}{\beta-\alpha }$
 
 この平均変化率は、図の青色のような$f(\alpha),f(\beta$)を通る直線$y=mx+n$の傾き$ m $として表すことができます。

 

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 この、$\alpha ,\beta$を近づけて、限りなく$\alpha $に近づけるときを考えます。このとき極限を表現する$\lim$を用いて次のように表します。
 $\displaystyle \lim_{\beta \rightarrow \alpha} \dfrac{f(\beta)-f(\alpha)}{\beta-\alpha }$
 この極限値は、$\alpha $における微分係数$f '(\alpha)$ として表され、次のように表現されます。

$f'(\alpha)=\displaystyle \lim_{\beta \rightarrow \alpha} \dfrac{f(\beta)-f(\alpha)}{\beta-\alpha }$

または、

$f'(\alpha)=\displaystyle \lim_{h \rightarrow 0} \dfrac{f(\alpha+h)-f(\alpha)}{h }$
この極限値$f'(\alpha)$は、この図のようになり、$\alpha$における接線の傾き$ m $に相当します。

 

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2. 導関数
 前節で学んだように、関数$f(x)$の導関数$f'(x)$は次の式で一般に表されます。

$f'(x)=\displaystyle \lim_{h \rightarrow 0} \dfrac{f(x+h)-f(x)}{h }$

 このように、導関数を求めることを微分するといいます。'はプライム(ダッシュ)と呼びます。
数学IIで習う微分
 $y(x)=x^a$ これを微分すると $y'(x)= a x^{a-1}$
 となります。


 とくに、定数$y(x)=b$を微分すると$y'(x)=0$になります。($b$は定数)

 また、導関数$f'(x)$はいろいろな表現方法があります。$y'$や、$\dfrac{dy}{dx},\dfrac{d}{dx}f(x)$があります。同じことを表しているのですが、使う式によって、表現方法が変わってきています。

 

導関数の性質は次のようになります。
$y=f(x) \pm g(x)$  を微分すると $y'=f'(x) \pm g'(x)$
$y= m f(x)$  を微分すると $y'=m f'(x)$
となります。

 物理で勉強した速度、加速度も微分されています。速度は位置の微分、加速度は速度の微分です。