電験三種の電気数学-14
amazon kindle版の「電験三種の電気数学」に関する本を出版しました。
そちらも見て下さい。
数字の基礎、微分です。
1. 微分係数
図のように2次関数$y=a x^2+bx+c$として、$y=f(x)$とおきます。このとき、$y=f(x)$上の2点$\alpha ,\beta$を図のようにおくと、この2点間の平均変化率は次のように表されます。
$\dfrac{f(\beta)-f(\alpha)}{\beta-\alpha }$
この平均変化率は、図の青色のような$f(\alpha),f(\beta$)を通る直線$y=mx+n$の傾き$ m $として表すことができます。
この、$\alpha ,\beta$を近づけて、限りなく$\alpha $に近づけるときを考えます。このとき極限を表現する$\lim$を用いて次のように表します。
$\displaystyle \lim_{\beta \rightarrow \alpha} \dfrac{f(\beta)-f(\alpha)}{\beta-\alpha }$
この極限値は、$\alpha $における微分係数$f '(\alpha)$ として表され、次のように表現されます。
$f'(\alpha)=\displaystyle \lim_{\beta \rightarrow \alpha} \dfrac{f(\beta)-f(\alpha)}{\beta-\alpha }$
または、
$f'(\alpha)=\displaystyle \lim_{h \rightarrow 0} \dfrac{f(\alpha+h)-f(\alpha)}{h }$
この極限値$f'(\alpha)$は、この図のようになり、$\alpha$における接線の傾き$ m $に相当します。
2. 導関数
前節で学んだように、関数$f(x)$の導関数$f'(x)$は次の式で一般に表されます。
$f'(x)=\displaystyle \lim_{h \rightarrow 0} \dfrac{f(x+h)-f(x)}{h }$
このように、導関数を求めることを微分するといいます。'はプライム(ダッシュ)と呼びます。
数学IIで習う微分は
$y(x)=x^a$ これを微分すると $y'(x)= a x^{a-1}$
となります。
とくに、定数$y(x)=b$を微分すると$y'(x)=0$になります。($b$は定数)
また、導関数$f'(x)$はいろいろな表現方法があります。$y'$や、$\dfrac{dy}{dx},\dfrac{d}{dx}f(x)$があります。同じことを表しているのですが、使う式によって、表現方法が変わってきています。
導関数の性質は次のようになります。
$y=f(x) \pm g(x)$ を微分すると $y'=f'(x) \pm g'(x)$
$y= m f(x)$ を微分すると $y'=m f'(x)$
となります。
物理で勉強した速度、加速度も微分されています。速度は位置の微分、加速度は速度の微分です。