電験三種 理論 基礎力向上テキスト-23
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そちらも見て下さい。
第3編 過渡現象
2. RC直列回路の過渡現象
図3.3に示すような抵抗$R[\Omega]$,コンデンサの容量$C[F]$の$RC$直列回路に,時間$t=0$において,直流起電力$E[V]$を加えたとき,流れる電流$i[A]$,およびコンデンサの電荷$q[C]$を求めよ。ただし,$t=0$のとき$i=0,q=0$の静止状態とする。
(1)電荷$q$の計算
$RC$直列回路では次の微分方程式が成立します。
$R i+ \dfrac{1}{C} \int i dt=E$
ここで,$i=\dfrac{d q}{d t}$ であるので,
$R \dfrac{d q}{d t}=\dfrac{1}{C}q=E$
式を整理して、両辺を積分すると
$\int \dfrac{1}{q-C E}d q=-\dfrac{1}{C R} \int d t$
$\log |q-C E|=-\dfrac{1}{C R}t+K$
$K$は積分定数
両辺を指数関数の形式にすると
$q=C E \pm e^K e^{-\frac{1}{C R}t}$
ここで,$K'=\pm e^K$とすると
$q=C E +K' e^{-\frac{1}{C R}t}$
初期値$t=0$のとき$q=0$を適用すると,$e^0=1$より
$q=C E \left(1-e^{-\frac{1}{C R}t} \right)$
(2)電流iの計算
また,$i=\dfrac{d q}{d t}$より,
$i=\dfrac{E}{R} e^{-\frac{1}{CR}t} $
$RC$回路の時定数は
$T=CR$
図3.4に電流i,コンデンサの電荷qを示します。図3.4では電圧1V,抵抗1Ω,コンデンサの容量1Fとしました。このとき,時定数は1となります。