基礎から学ぶエネルギーネットワーク工学-2.7.2-11
基礎から学ぶエネルギーネットワーク工学
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2.7.2 対称座標法-(10)三相短絡故障-2
以降の計算ではベクトルの・(ドット)の表記は省略している。
図2.7.9 三相短絡故障
図2.7.10 三相短絡故障(抵抗$R$ありの場合)
図に示すように、
$V_a-RI_a=V_b-RI_b=V_c-RI_c=V,~V_a+V_b+V_c=0,~I_a+I_b+I_c=0$という条件より、
$I_a+I_b+I_c=0$より、
$I_0+I_1+I_2+I_0+a^2 I_1+aI_2+I0+aI_1+a^2 I_2=0$
$3I_0+(1+a+a^2)I_1+(1+a+a^2)I_2=0$
$1+a+a^2=0$より、
$I_0=0$
同様に
$V_0+V_1+V_2+V_0+a^2 V_1+aV_2+V_0+aV_1+a^2V_2=0$
$3V_0+(1+a+a^2)V_1+(1+a+a^2)V_2=0$
$1+a+a^2=0$より、
$V_0=0$
$V_a+V_b+V_c=0, ~I_a+I_b+I_c=0$より、
$V_a-RI_a+V_b-RI_b+Vc-RI_c$
$=V_a+V_b+V_c-R(I_a+I_b+I_c)=0$
$V_a=RI_a=R(I_1+I_2)$
$V_b=RI_b=R(a^2 I_1+aI_2)$
発電機の基本式より、
$V_1=E_a-Z_1 I_1$
$V_2=-Z_2 I_2$より、
$V_1+V_2=E_a-Z_1 I_1-Z_2 I_2=R(I_1+I_2)$
$E_a-Z_1 I_1-RI_1=(R+Z_2)I_2$
$I_2=\dfrac{E_a-(Z_1+R)I_1}{R+Z_2}$・・・①
$a^2(E_a-Z_1 I_1)-aZ_2 I_2=R(a^2 I_1+aI_2)$
$a^2(E_a-Z_1 I_1-RI_1)=a(R+Z_2)I_2$
$I_2=\dfrac{a\{ E_a-(Z_1+R)I_1 \} }{R+Z_2}$
この式が①式と等しいので
$\dfrac{E_a-(Z_1+R)I_1}{R+Z_2}=\dfrac{a\{ E_a-(Z_1+R)I_1 \} }{R+Z_2}$
${E_a-(Z_1+R)I_1}={a\{ E_a-(Z_1+R)I_1 \} }$
$(1-a)E_a=(1-a)(Z_1+R)I_1$
$E_a=(Z_1+R)I_1$
$I_1=\dfrac{E_a}{Z_1+R}$
これを、①に代入すると
$I_2=0$、発電機の基本式より、$V_2=0$
これらから、
$V_a=\dfrac{R E_a}{Z_1+R},~V_b=a^2\dfrac{R E_a}{Z_1+R},~V_c=a\dfrac{R E_a}{Z_1+R}$
$I_a=\dfrac{ E_a}{Z_1+R},~I_b=a^2\dfrac{ E_a}{Z_1+R},~I_c=a\dfrac{ E_a}{Z_1+R}$