基礎から学ぶエネルギーネットワーク工学-2.7.2-7
基礎から学ぶエネルギーネットワーク工学
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2.7.2 対称座標法-(6)三線地絡故障-2
以降の計算ではベクトルの・(ドット)の表記は省略している。
図2.7.6 三線地絡故障(抵抗$R$ありの場合)
図に示すように、$V_a=V_b=V_c=R(I_a+I_b+I_c)$という条件より、
$V_a=V_0+V_1+V_2=R(I_a+I_b+I_c)$・・・①
$V_b=V_0+a^2 V_1+aV_2=R(I_a+I_b+I_c)$・・・②
$V_c=V_0+aV_1+a^2 V_2=R(I_a+I_b+I_c)$・・・③
②-③より、
②-③=0
$(a^2-a)(V_1-V_2)=0$
$a^2-a \neq 0$より、
$V_1=V_2$
$V_0+a^2 V_1+aV_1=R(I_a+I_b+I_c)$
$V_0+(a+a^2)V_1=R(I_a+I_b+I_c)$
$1+a+a^2=0$より、
$V_0-V_1=R(I_a+I_b+I_c)$
$V_0=V_1+R(I_a+I_b+I_c)$・・・④
ここで、$I_a+I_b+I_c$は
$I_a=I_0+I_1+I_2$
$I_b=I_0+a^2 I_1+aI_2$
$I_c=I_0+aI_1+a^2 I_2$
より、
$I_a+I_b+I_c$
$=I_0+I_1+I_2+I_0+a^2 I_1+aI_2+I_0+aI_1+a^2 I_2$
$=3I_0+(1+a+a^2)I_1+(1+a+a^2)I_2$
$=3I_0$
よって、式④は
$V_0=V_1+3I_0$・・・⑤
また、①式より
$V_0=-2V_1+3I_0$・・・⑥
式⑤-⑥より、
$V_1=V_2=0$
$V_0=3I_0$
また、発電機の基本式より、
$0=E_a-Z_1 I_1$
$0=-Z_2 I_2$
より、$I_2=0$
$V_0=3I_0$
$3I_0=-Z_0 I_0$
ここで、$Z_0>0$より、$I_0=0,~V_0=0$となる。
よって、
元の式に代入して
$I_a=\dfrac{E_a}{Z_1}$
$I_b=a^2\dfrac{E_a}{Z_1}$
$I_c=a \dfrac{E_a}{Z_1}$
$V_a=V_b=V_c=0$