橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 理論 問15

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問15は、三相回路の問題です。

これは、ベクトルを考えないといけないので、ちょっと難しいです。

解いてみましょう。


  図のように,線間電圧$400V$の対称三相交流電源に抵抗$R[\Omega]$と誘導性リアクタンス$X[\Omega]$からなる平衡三相負荷が接続されている。平衡三相負荷の全消費電力は$6kW$であり,これに線電流$I=10A$ が流れている。電源と負荷との間には,変流比$20:5$の変流器が$a$相及び$c$相に挿入され,これらの二次側が交流電流計f:id:hashi-rei-channel:20211113145922p:plainを通して並列に接続されている。この回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。

f:id:hashi-rei-channel:20211113145945p:plain



(a)交流電流計f:id:hashi-rei-channel:20211113145922p:plainの指示値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)$0$ (2)$2.50$ (3)$4.33$ (4)$5.00$ (5)$40.0$

 

(b)誘導性リアクタンス$X$の値$[\Omega]$として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)$11.5$ (2)$20.0$ (3)$23.1$ (4)$34.6$ (5)$60.0$

 

 



解答 (a):(2),(b):(1)  

(a)

f:id:hashi-rei-channel:20211113150307p:plain

線電流$I=10A$で、変流比$20:5$の変流器より、図のベクトル$I_a$の大きさは$2.5A$となる。$I_c$の大きさも$2.5A$と等しいので、ベクトルを合成すると正三角形となるので、$2.5A$となる。

(b)
平衡三相負荷の全消費電力は$6kW$より
$P=\sqrt{3}VI \cos \theta$に代入すると

$6000=\sqrt{3} \times 400 \times 10 \times \cos \theta$

$\cos \theta=\dfrac{6000}{\sqrt{3} \times 400 \times 10}=\dfrac{3}{2 \sqrt{3}}=\dfrac{\sqrt{3}}{2}$
$\theta=30^{\circ}$
また、インピーダンスの大きさは

$|Z|=\dfrac{\dfrac{400}{\sqrt{3}}}{10}=\dfrac{40}{\sqrt{3}}$

これらから、ベクトルを描くと図のようになります。

f:id:hashi-rei-channel:20211113150620p:plain

よって、

$X=\dfrac{20}{\sqrt{3}}=11.547 \fallingdotseq 11.5[\Omega]$