橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和4年(2022年) 上期 電験三種 理論 問15

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問15は、三相交流に関する問題です。一見、不平衡負荷に見えますが、平衡負荷となりますので、難しくはありません。

解いてみましょう。


 

 図のように,線間電圧$200V$の対称三相交流電源に,三相負荷として誘導性リアクタンス$X=9 \Omega$の3個のコイルと$R$[$\Omega$],$ 20\Omega $,$20\Omega $,$60\Omega $の4個の抵抗を接続した回路がある。端子$a,b,c$から流入する線電流の大きさは等しいものとする。この回路について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a)線電流の大きさが$7.7A$,三相負荷の無効電力が$1.6kvar $であるとき,三相負荷の力率の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)0.5 (2)0.6 (3)0.7 (4)0.8 (5)1.0

 

(b)$a$相に接続された点の値[$\Omega $]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)4 (2)8 (3)12 (4)40 (5)80

 


解答 (a):(4),(b):(2)  

 

(a)
 $a,b,c$から流入する線電流の大きさは等しいので、三相平衡負荷であるといえます。
無効電力は$Q=\sqrt{3} VI \sin \theta $より、値を代入すると、

$1.6 \times 10^3=\sqrt{3} \times 200 \times 7.7 \times \sin \theta$

$\sin \theta ≒0.6$
$\cos \theta=\sqrt{1-\sin^2 \theta}$より、
力率$\cos \theta=0.8$

 

(b)
三相平衡負荷となりますので、$\Delta-Y$変換すると、同じ値となるように、Rを求めれば良い。$a$相の抵抗を、$b$、$c$相と同じにするには$R=8 \Omega $とすればよい。