電験三種 理論 基礎力向上テキスト-31
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対称三相交流の例題
(令和元年度 第三種電気主任技術者 理論 問16)
図のように線間電圧$200V$,周波数$50Hz$の対称三相交流電源に$RLC$負荷が接続されている。$R=10 \Omega$,電源角周波数を$\omega[rad/s]$として,$\omega L=10 \Omega, \dfrac{1}{\omega C}=20\Omega$である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a)電源電流Iの値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)7 (2)10 (3)13 (4)17 (5)22
(b)三相負荷の有効電力の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)1.3 (2)2.6 (3)3.6 (4)4.0 (5)12
解答(a):(3),(b):(4)
問題の図のように、三相平衡負荷となっているので、中性線を引くと考え、1相分だけ取り出して考えれば、計算を簡単にすることができます。問題にもよりますが、Δ接続の場合も、Y接続に変換すると簡単に解けます。
(a) 図のように線間電圧200V,周波数50Hzの対称三相交流電源に三相対称負荷が接続されているので、1相分だけ取り出すと、図のようになる。それぞれの流れる電流のベクトルを考えると、
電流は$I=\sqrt{\left(\dfrac{10}{\sqrt{3}} \right)^2+\left(\dfrac{20}{\sqrt{3}} \right)^2}=12.9≒13A$となる。
(b)三相負荷の有効電力は
(a)のベクトル図から力率は$\cos \theta=\dfrac{2}{\sqrt{5}}$より、
$P=\sqrt{3} V I \cos \theta=\sqrt{3} \times 200 \times \dfrac{\sqrt{5} \times 10}{\sqrt{3}}\times \dfrac{2}{\sqrt{5}}=4[kW]$
となる。