橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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平成28年(2016年) 電験三種 理論 問15

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そちらも見て下さい。

 

 


図のように、$r[\Omega ]$の抵抗$6$個が線間電圧の大きさ$V[V]$の対称三相電源に接続されている。$b$相の×印の位置で断線し、$c-a$間が単相状態になったとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
 ただし、電源の線間電圧の大きさ及び位相は、断線によって変化しないものとする。

 

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(a)図中の電流Iの大きさ$[A]$は、断線前の何倍となるか。その倍率として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)0.50  (2)0.58  (3)0.87  (4)1.15  (5)1.73

 

(b)×印の両側に現れる電圧の大きさ$[V]$は、電源の線間電圧の大きさ$V[V]$の何倍となるか。その倍率として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)0  (2)0.58  (3)0.87  (4)1.00  (5)1.15

 

 


 

解答 (a):(1),(b):(3)  

 

三相の電源、負荷ともに、$\Delta$接続を$Y$接続に変換して考えると1相で計算できるので、$Y$接続に変換して考えると、線間電圧の大きさは$\dfrac{V}{\sqrt{3}} $となる。抵抗を$\Delta Y$変換すると$\dfrac{r}{3}$より、$1$相の抵抗は$r+\dfrac{r}{3}$となるので、

 相電流は$I'=\dfrac{\dfrac{V}{\sqrt{3}}}{r+\dfrac{r}{3}}=\dfrac{\sqrt{3}V}{4r}$よって、$\Delta$相を流れる電流は$\dfrac{1}{\sqrt{3}}$倍となるので、
$\dfrac{V}{4r} [A]$・・・断線前の電流(1)

断線後は図の部分だけ考えれば良いので、
全体を流れる電流は
$I''=\dfrac{V}{2r+\dfrac{r \times 2r}{r+2r}}=\dfrac{3V}{8r}$

よって、電流$I$は

$I=\dfrac{\dfrac{3V}{8r}}{3}=\dfrac{V}{8r}$・・・断線後の電流(2)

よって、(2)/(1)より$0.5$ 答え(1)

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(b) これはベクトル図を描いて考えると分かりやすい。

図のように点$d$に現れる電圧は、$ac$間電圧を基準とした電圧の中央に現れるので、直角三角形の大きさから$bd$間の電圧$V'$は
$V'=\dfrac{\sqrt{3}}{2}V=0.866[V]$

解答 (3)

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