橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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平成29年(2017年) 電験三種 電力 問11

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そちらも見て下さい。 

 



  問11

 

 回路図のような単相2線式及び三相4線式のそれぞれの低圧配電方式で,抵抗負荷に送電したところ送電電力が等しかった。

 このときの三相4線式の線路損失は単相2線式の何[%]となるか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 ただし,三相4線式の結線はY結線で,電源は三相対称,負荷は三相平衡であり,それぞれの低圧配電方式の1線当たりの線路抵抗r,回路図に示す電圧Vは等しいものとする。また,線路インダクタンスは無視できるものとする。

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(1)16.7 (2)33.3  (3)50.0 (4)57.8 (5)66.7

 


 

答え (1)

 

単相2線式の電力$P$,電流$I_2$とすると,抵抗負荷なので力率は1となる。

$P=V I_2$

よって,線路損失は

$P_2=2 r I_2^2=\dfrac{2 r P^2}{V^2}$
三相4線式の1相当たりの電力は$\dfrac{1}{3} $,相電圧$V$より,線電流$I_3$は

$\dfrac{1}{3}P=V I$
よって,線路損失は

$P_3=3 r I^2=3 r \dfrac{P^2}{9 V^2}=\dfrac{r P^2}{3 V^2}$ 

$\dfrac{P_3}{P_2}=\dfrac{\dfrac{r P^2}{3 V^2}}{\dfrac{2 r P^2}{V^2}}=\dfrac{1}{6}=0.167$
よって,$16.7 \%$