橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種 理論 基礎力向上テキスト-20

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そちらも見て下さい。 

 


 2. 交流回路の計算

 2.1 共振回路

(2)並列共振
 RLC並列回路を図1.3に示します。

 

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アドミタンス$Y$は
$Y=\dfrac{1}{R}=j \left( \omega C- \dfrac{1}{\omega L} \right)$

電流は次式となります。

$I=I_R+I_L+I_C=\lbrace { \dfrac{1}{R}+j \left( -\dfrac{1}{\omega L}+\omega C \right)}\rbrace V$

$=\dfrac{V}{R}-j \dfrac{V}{\omega L}+j \omega C V$

直列共振回路と同様に,式の虚数部が0のとき図1.3のベクトル図のように
$I_L=I_C$となり,実部のみの電流となります。この状態を共振状態と呼びます。

虚数部が0となるので,
$-\dfrac{1}{\omega L}+ \omega C=0$
共振角周波数

$\omega_0=\dfrac{1}{\sqrt{LC}}$

共振周波数

$f_0=\dfrac{1}{2 \pi \sqrt{LC}}$

 

図1.4に$R=10 \Omega,L=1mH, C=1 \mu F$とした場合の並列共振曲線を示します。
このとき共振周波数は

 $f_0=\dfrac{1}{2 \pi \sqrt{LC}}=5032.9[Hz]$

$\omega_0=31622.8[rad/s]$

ここで,共振周波数の$\dfrac{1}{\sqrt{2}}$の大きさの周波数は
$f_1=1458[Hz], f_2=17373[Hz]$、となるので,


共振の鋭さ
$Q=\dfrac{\omega_0}{\omega_2-\omega_1}=\dfrac{f_0}{f_2-f_1}=\dfrac{5032.9}{17373-1458}=0.316$

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