橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種 理論 基礎力向上テキスト-19

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そちらも見て下さい。 

 


 2. 交流回路の計算

 2.1 共振回路

(1)直列共振
 RLC直列回路を図1.1に示します。
インピーダンス$Z$は
$Z=R+j \left( \omega L -\dfrac{1}{\omega C} \right)$
電圧は次式となります。

$V=V_R+V_L+V_C=\left(R+j \omega L -j \dfrac{1}{\omega C}\right)I=RI+j \omega L I -j \dfrac{1}{\omega C} I$

ここで,式の虚数部が0のとき図1.1のベクトル図のように$V_L=V_C$となり,実部のみの電圧となります。この状態を共振状態と呼びます。

 

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虚数部が0となるので,
$\omega L - \dfrac{1}{\omega C}=0$  

共振角周波数 

$\omega_0=\dfrac{1}{\sqrt{LC}}$
 
共振周波数

$f_0=\dfrac{1}{2 \pi \sqrt{LC}}$

 

図1.2に$R=10 \Omega,L=1mH,C=1 \mu F$とした場合の直列共振曲線を示します。
このとき共振周波数は

$f_0=\dfrac{1}{2 \pi \sqrt{LC}}=5032.9[Hz]$

$\omega_0=31622.8[rad/s]$

 ここで,共振周波数の$\dfrac{1}{\sqrt{2}}$の大きさの周波数は

$f_1=4300[Hz], f_2=5891[Hz]$

 となるので,


共振の鋭さ

$Q=\dfrac{\omega_0}{\omega_2-\omega_1}=\dfrac{5302.9}{5891-4300}=3.16$

この値が小さいと共振が鋭くなります。

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