橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種 理論 基礎力向上テキスト-21

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そちらも見て下さい。 

 


 2. 交流回路の計算

 2.1 共振回路例題

平成28年度 第三種電気主任技術者 理論 問9)

 図のように、$R=1 \Omega$の抵抗、インダクタンス$L_1=0.4 mH,L_2=0.2mH$のコイル、及び静電容量$C=8 \mu F$のコンデンサからなる直並列回路がある。この回路に交流電圧$V=100V$を加えたとき、回路のインピーダンスが極めて小さくなる直列共振角周波数$\omega_1$の値[rad/s]及び回路のインピーダンスが極めて大きくなる並列共振角周波数$\omega_2$の値[rad/s]の組み合わせとして、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

f:id:hashi-rei-channel:20200323142547p:plain

 


答え(5)

インピーダンスを求めます。

$Z=R+j \omega L_1+\dfrac{j \omega L_2 \times \dfrac{1}{j \omega C}}{j \omega L_2 + \dfrac{1}{j \omega C}}$ 

この式を、実部と虚部に整理します。

$=R+j \omega L_1+\dfrac{j \omega L_2}{1- \omega^2 C L_2}$

$=R+j \omega \left( L_1+\dfrac{ L_2}{1- \omega^2 C L_2} \right)$ 

$=R+j \omega \left( \dfrac{ L_1(1- \omega^2 C L_2)+L_2}{1- \omega^2 C L_2} \right)$ 

 $=R+j \omega \left( \dfrac{ L_1+L_2- \omega^2 C L_1 L_2}{1- \omega^2 C L_2} \right)$ 

 

インピーダンスが極めて小さくなる直列共振角周波数$\omega_1$は分子が0になればよいので

$L_1+L_2- \omega_1^2 C L_1 L_2=0$

$\omega_1=\sqrt{\dfrac{L_1+L_2}{  C L_1 L_2}}=3.06 \times 10^4[rad/s]$

 

インピーダンスが極めて大きくなる並列共振角周波数$\omega_2$は分母が0になればよいので

$1- \omega_2^2 C L_2=0$

$\omega_2=\sqrt{\dfrac{1}{C L_2}}=2.5 \times 10^4[rad/s]$