橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種 理論 基礎力向上テキスト-15

amazon kindle版の「最新令和2年版 電験三種(理論)基礎力向上テキスト」に関する本を出版しました。

そちらも見て下さい。 

 


 1. 交流回路

 1.2 フェーザ表示と複素数表示

(1)虚数

 交流回路の電流,電圧は$\sin,\cos$などの三角関数となっています。電流や電圧を計算する際に,三角関数の足し算や引き算などの四則演算等は非常に難しくなります。このような三角関数の計算を容易にするため,虚数(imaginary number)を使います。虚数を使う理由はマクローリン展開(オイラーの公式)をすると分かります。


 オイラーの公式:$e^{j \theta}=\cos \theta +j \sin \theta$

 $\cos \theta=\dfrac{e^{j \theta}+e^{-j \theta}}{2}$

 $\sin \theta=\dfrac{e^{j \theta}-e^{-j \theta}}{ 2 j}$

 となり、三角関数の四則演算の計算が比較的楽になります。

 

 虚数は2乗すると-1になる数です。実際は2乗して負になる数はありえないので,虚数と呼びます。数学では$i$を虚数の記号として使いますが,瞬時電流$i$の記号と同じですので,電気工学では$j$を使って表現します。

$j=\sqrt{-1}$