橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種 理論 基礎力向上テキスト-5

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そちらも見て下さい。 

 


 1. 直流回路

 1.6 電圧・電流の計算

 電流と電圧の関係と電圧降下は必ずといっていいほど出題されますので、ここでしっかり復習しておきましょう。並列になると少し難しくなります。

(2)並列接続の場合

 並列回路に電圧$V[V]$を加えると,抵抗$R_1$に電流が$I_1$,抵抗$R_2$に電流$I_2$が流れます。
 抵抗$R_1$と$R_2$に加わる電圧は同じなので,電流$I_1$,$I_2$は次式となります。

 

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$I_{R1}=\dfrac{V}{R_1}[A]$

$I_{R2}=\dfrac{V}{R_2}[A]$

 よって,流れる電流の比は次式のように、各抵抗の逆数比となります。

$I_{R1}:I_{R2}=\dfrac{1}{R_1}:\dfrac{1}{R_2}$

流れる電流は 

$I=I_{R1}+I_{R2}=\dfrac{V}{R_1}+\dfrac{V}{R_2}=V \left( \dfrac{1}{R_1}+\dfrac{1}{R_2} \right)=V \dfrac{R_1+R_2}{R_1 R_2}$

このときの電圧を計算すると次式となります。 

 $V =I \dfrac{R_1 R_2}{R_1+ R_2}$

これを、それぞれの電流の式に代入すると、次式のようになります。

$I_{R1}= \dfrac{ R_2}{R_1+ R_2} I[A]$

$I_{R2}= \dfrac{ R_1}{R_1+ R_2} I[A]$

 電流の分子を見てみると、抵抗が逆になっているので注意が必要です。

ほとんどの場合は、2つの並列の場合が多いので、これを覚えておくと良いでしょう。

 

 抵抗の並列接続回路での電圧・電流の計算をまとめると,

・各抵抗に加わる電圧は等しい。
・抵抗に流れる電流は,抵抗の大きさに逆比例する。

 

ここで、各抵抗における電圧降下は

$R_1$の左側端子は電圧降下していないので、$V[V]$となります。

$R_1$の右側端子は$V_{R1}$電圧降下し$V-V_{R1}=0[V]$となります。

($V=V_{R1}=V_{R2}$)

$R_2$の左側端子の電圧降下していないので、$V[V]$となります。

$R_2$の右側端子の電圧は、$V-V_{R2}=0 V$となります。

 電圧降下は抵抗$R$を流れる電流$I$を掛け合わせたものから、元の電圧を引いたものとなり、最後は$0[V]$となります。これは直流回路と同じです。

 


 例題、上図1.8の並列回路において、合成抵抗$R$および抵抗$R_1$,$R_2$に流れる電流$I_1$ ,$I_2$を求めなさい。 ただし,$R_1=4\Omega$,$R_2=12\Omega$,$V=12V$とする。

$R=\dfrac{R_1 R_2}{R_1+R_2}=\dfrac{4 \times 12}{4+12}=3 \Omega$

$I_1=\dfrac{12}{4}=3[A]$

$I_2=\dfrac{12}{12}=1[A]$