橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和2年(2020年) 電験三種 理論 問9

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  問9

 図のように,$R[\Omega]$の抵抗,インダクタンス$L[H]$のコイル,静電容量$C[F]$のコンデンサと電圧$V[V]$,角周波数$\omega[rad/s]$の交流電源からなる二つの回路$A$と$B$がある。両回路においてそれぞれ$\omega^2 LC=1$が成り立つとき,各回路における図中の電圧ベクトルと電流ベクトルの位相の関係として,正しいものの組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,ベクトル図における進み方向は反時計回りとする。

 

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答え (2)

 

 $\omega^2LC=1$が成り立つので、直列回路も並列回路も共振状態にあることが分かります。
 回路$A$の直列回路のインピーダンスを$Z_A$とすると、

$Z_A=R+j \omega L- j \dfrac{1}{\omega C}$

 流れる電流を$\dot{I} $とすると、電圧$ \dot{V}$は

$ \dot{V}=R \dot {I} +j \omega L \dot{I}-j \dfrac{1}{\omega C} \dot{I}=\dot{V}_R+\dot{V}_L-\dot{V}_C$

ベクトル図における進み方向は反時計回りとし、共振状態にあるので、$\dot{V}_L=\dot{V}_C$より、回路$A$のベクトル図は次のようになります。

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 回路$B$では、電流について考えると、次式のようになります。

$\dot{I}=\dfrac{\dot{V}}{R}-j \dfrac{\dot{V}}{\omega L}+j \omega \dot{V}=\dot{I}_R-\dot{I}_L+\dot{I}_C $

 共振状態にあるので、$\dot{I}_L=\dot{I}_C $より、回路$B$のベクトル図は次のようになります。よって、答えは(2)となります。

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