昭和50年(1975年) 電験三種 理論 問2
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問2はブリッジ回路をテブナンの定理を使って解く問題です。
この問題をまず、テブナンの定理を使って解いてみましょう。
定電圧E[V]の直流電源に$3r_1$[Ω]と$3r_2$[Ω]の抵抗を並列に接続し,かつ,図のように,各抵抗をそれぞれ1:2及び2:1に分ける点a及びbの間を電流計A及びスイッチSを通して接続してスイッチを閉じるとき,この電流計に流れる電流を求めよ。ただし,電流計の抵抗は無視するものとする。
解答
回路は図1のように、こんな形にできます。
ブリッジ回路になります。でも平衡ではありません。
こんなときは、図2のように考えます。
これは、ブリッジ回路なので典型的なテブナンの定理で解くことができます。
流れる電流$I$は、端子ab間から見た、インピーダンス(ここでは抵抗)$R_0$と、
ab間の電圧$E_0$を用いて、ab間に接続する抵抗を$R$とすると
$I=\dfrac{E_0}{R_0+R}$・・・(1)
で求めることができます。
電流計の抵抗は無視するので
$R=0$・・・(2)
となります。
まず、ab間の抵抗は図2から、電源電圧$E$は短絡したものと考えて
$R_0=\dfrac{2 r_1 r_1}{2 r_1+ r_1}+\dfrac{2 r_2 r_2}{2 r_2+ r_2}=\dfrac{2}{3}(r_1+r_2)$・・・(3)
次に、ab間の電圧$E_0$は抵抗の比から、図1に示すように、
$E_0=\dfrac{2}{3} E -\dfrac{1}{3} E=\dfrac{1}{3} E$・・・(4)
となり、端子aの電圧が端子bより高い、つまり、電流はaからbに流れます。
ここまでで、準備完了です。
あとは(1)式に(2)から(4)の値を代入してできあがり
$I=\dfrac{\dfrac{1}{3}E}{\dfrac{2}{3}(r_1+r_2)+0}$
$=\dfrac{E}{2(r_1+r_2)}$