橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和元年(2019年) 電験三種 理論 問2

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そちらも見て下さい。

 

問2はコンデンサの電圧の問題です。

これも時間のかかりそうな問題です。

解いてみましょう。


  図のように,極板間距離d[mm]と比誘電率$\epsilon_r$が異なる平行板コンデンサが接続されている。極板の形状と大きさは全て同一であり、コンデンサの端効果,初期電荷及び漏れ電流は無視できるものとする。印加電圧を10kVとするとき,図中の二つのコンデンサ内部の電界の強さ$E_A$及び$E_B$の値[kV/mm]の組合せとして,正しいものを次の次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

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解答 (3)  

コンデンサの容量は$C=\epsilon \dfrac{S}{l}$また、$Q=CV$の式を用います。
また、コンデンサの直列接続の場合は、同じ電荷となる。

これらを用いて計算します。
ここでは、各コンデンサに加わる電圧が分かれば良いので、
図のように、コンデンサをおくと

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まずは、真ん中の電圧を求めます。

$C_{B1}:C_{B2}=2 \dfrac{S}{4}:2 \dfrac{S}{6}= \dfrac{1}{2}: \dfrac{1}{3}$
$Q=C_{B1}V_{B1}=C_{B2}V_{B2}$
$C_{B1}V_{B1}=C_{B2}(10-V_{B1})$

$3V_{B1}=2(10-V_{B1})$
$5V_{B1}=20$
$V_{B1}=4$
よって、$C_{B1}$の両端の電圧は,$4[kV]$より、$E_B=1.0[kV/mm]$

 

左側の電圧を求めます。

$C_{A1}:C_{A2}:C_{A3}=3 \dfrac{S}{2}:3 \dfrac{S}{3}:3 \dfrac{S}{5}= \dfrac{1}{2}: \dfrac{1}{3}: \dfrac{1}{5}$
$Q=C_{A1}V_{A1}=C_{A2}V_{A2}=C_{A3}V_{A3}$より,

よって、電圧の比は
$V_{A1}:V_{A2}:V_{A3}=2:3:5$

$C_{A1}$の両端の電圧は,$2[kV]$より、$E_A=1.0[kV/mm]$

$E_A=1.0[kV/mm],E_B=1.0[kV/mm]$となる。