橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 理論 問9

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問9は、共振回路の問題です。

共振回路の基本問題ですので、共振回路が分かっていれば比較的容易です。

解いてみましょう。


 実効値$V[V]$,角周波数$\omega [rad/s]$の交流電圧源,$R[\Omega]$の抵抗$R$,インダクタンス$L[H]$のコイル$L$,静電容量$C[F]$のコンデンサ$C$からなる共振回路に関する記述として,正しいものと誤りのものの組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(a)$RLC$直列回路の共振状態において,$L$と$C$の端子間電圧の大きさはともに$0$である。

(b)$RLC$並列回路の共振状態において,$L$と$C$に電流は流れない。

(c)$RLC$直列回路の共振状態において交流電圧源を流れる電流は,$RLC$並列回路の共振状態において交流電圧源を流れる電流と等しい。

 

   (a)   (b)   (c) 
(1) 誤り  誤り  正しい 
(2) 誤り  正しい  誤り 
(3) 正しい 誤り  誤り  
(4) 誤り  誤り  誤り
(5) 正しい 正しい  正しい

 

 



解答 (1)  

(a)$RLC$直列回路の共振状態において,$L$と$C$の端子間電圧の大きさはともに$0$である。

図のように、共振状態において、$V_L$と$V_C$は虚軸逆向きで大きさが等しくなり、大きさは$0$ではありません。よって、「誤り」

f:id:hashi-rei-channel:20211113114141p:plain

 

(b)$RLC$並列回路の共振状態において,$L$と$C$に電流は流れない。

図のように、共振状態において、$I_L$と$I_C$は虚軸逆向きで大きさが等しくなり、大きさは$0$ではありません。よって、「誤り」

f:id:hashi-rei-channel:20211113114256p:plain

 

(c)$RLC$直列回路の共振状態において交流電圧源を流れる電流は,$RLC$並列回路の共振状態において交流電圧源を流れる電流と等しい。

RLC直列回路のインピーダンス

$Z=R+j \left( \omega L- \dfrac{1}{\omega  C}\right)$

共振状態では、虚部は$0$となりますので、$Z=R$となります。

 

$RLC$並列回路のアドミタンス

$Y=\dfrac{1}{R}-j \dfrac{1}{\omega L}+j \omega C=\dfrac{1}{R}+j\left(- \dfrac{1}{\omega L}+j \omega C \right)$

共振状態では、虚部は$0$となりますので、インピーダンスは$\dfrac{1}{Y}=Z=R$となります。よって、同じ電流が流れます。「正しい」