橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和4年(2022年) 上期 電験三種 理論 問9

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問9は、交流回路の問題です。

 


 

 図のように,$5 \Omega $の抵抗,$200mH $のインダクタンスをもつコイル,$20 \mu F $の静電容量をもつコンデンサを直列に接続した回路に周波数$f$[$Hz$]の正弦波交流電圧$E$[$V$]を加えた。周波数fを回路に流れる電流が最大となるように変化させたとき,コイルの両端の電圧の大きさは抵抗の両端の電圧の大きさの何倍か。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)$5$  (2)$10$  (3)$15$  (4)$20$  (5)$25$

 


解答 (4)  

 

$RLC$直列回路のインピーダンス

$Z=R+j \left( \omega L -\dfrac{1}{\omega C} \right)$

周波数$f$を回路に流れる電流が最大となるように変化させたので、虚部が$0$となる直列共振状態である。

$ \omega L =\dfrac{1}{\omega C} $

$ \omega =\dfrac{1}{\sqrt{L C}}=\dfrac{1}{\sqrt{200 \times 10^{-3} \times 20 \times 10^{-6}}}=\dfrac{1}{\sqrt{4 \times 10^{-6}}}=500$

このとき流れる電流は、$I=\dfrac{E}{5}$
$5 \Omega$の抵抗の両端の電圧は$E$[$V$]
$200mH $のインダクタンスをもつコイルの電圧$V_L $は

$V_L=j \omega L I=j 500 \times 200 \times 10^{-3} \times \dfrac{E}{5}=20 E[V]$
よって、(4)$20 $となります。