橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和4年(2022年) 上期 電験三種 理論 問8

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問8は、交流回路の問題です。

 


 図のように,周波数$f $[$Hz $]の正弦波交流電圧$E $[$V $]の電源に,$R$[$\Omega $]の抵抗,インダクタンス$L$[$H $]のコイルとスイッチ$S $を接続した回路がある。スイッチ$S $が開いているときに回路が消費する電力[$W $]は,スイッチ$S $が閉じているときに回路が消費する電力[$W $]の$\dfrac{1}{2}$になった。このとき,$L $[$H $]の値を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

             

(1)$2 \pi f R $(2)$\dfrac{R}{2 \pi f}$ (3)$\dfrac{2 \pi f}{R}$(4)$\dfrac{(2 \pi f)^2}{R}$ (5)$\dfrac{R}{ \pi f}$

 


解答 (2)  

 

スイッチ$S$が閉じているときに回路が消費する電力$W_1$[$W$]は、

$W_1=\dfrac{E^2}{R}$

スイッチ$S$が開いているときに回路が消費する電力$W_2$[$W$]
インピーダンス$Z=R+j \omega L $

$W_2=RI^2=\dfrac{RE^2}{(R+j \omega L)^2}$

大きさなので

$=\dfrac{RE^2}{R^2+ \omega^2 L^2}$

これらから、

$\dfrac{W_2}{W_1}=\dfrac{\dfrac{RE^2}{R^2+ \omega^2 L^2}}{\dfrac{E^2}{R}}=\dfrac{1}{2}$

$=\dfrac{RE^2}{R^2+ \omega^2 L^2} \cdot \dfrac{R}{E^2}=\dfrac{1}{2}$

$2 R^2=R^2+\omega^2 L^2 $

$L=\dfrac{R}{\omega}=\dfrac{R}{2 \pi f}$

よって、(2) $\dfrac{R}{2 \pi f}$ となります。