橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 機械 問15

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問15は、変圧器の効率に関する問題です。

解いてみましょう。


 

 定格容量が10kV・Aで,全負荷における銅損と鉄損の比が2:1の単相変圧器がある。力率1.0の全負荷における効率が97%であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,定格容量とは出力側で見る値であり,鉄損と銅損以外の損失は全て無視するものとする。

(a)全負荷における銅損は何[W]になるか,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)357  (2)206  (3)200  (4)119  (5)115


(b)負荷の電圧と力率が一定のまま負荷を変化させた。このとき,変圧器の効率が最大となる負荷は全負荷の何[%]か,最も近いものを(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)25.0  (2)50.0  (3)70.7  (4)100  (5)141

 



解答(a):(2),(b):(3)   

 

(a)
定格容量が$10kV \cdot A$・・・定格出力が$10kV \cdot A$と考えると、
効率が$97 \%$であるので、損失$P_L$は

$\dfrac{10 \times 10^3}{10 \times 10^3+P_L}\times 100=97 \%$

$10 \times 10^5=97(10 \times 10^3+P_L)$
$10.30928 \times10^3-10 \times 10^3=P_L$
$P_L=309.28[W]$
銅損と鉄損の比が$2:1$より、
銅損$=206.2[W]$
鉄損$=103.1[W]$

(b)
 全負荷において銅損と鉄損の比が$2:1$であり、鉄損は負荷が変わっても変化しない。変圧器の効率が最大となる負荷は、銅損=鉄損のときとなります。
 また、銅損は負荷電流の二乗に比例するので、銅損$=RI^2$より、負荷が$\dfrac{1}{2}$のとき、効率が最大となり、このとき$I$は$\dfrac{1}{\sqrt{2}}$となります。電圧が変化しないとすると、負荷は$I$に比例するので、$\dfrac{1}{\sqrt{2}}=0.707$