橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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平成28年(2016年) 電験三種 電力 問6

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そちらも見て下さい。

  


 


 一次側定格電圧と二次側定格電圧がそれぞれ等しい変圧器$A$と変圧器$B$がある。変圧器$A$は,定格容量$S_A=5000{\rm kV \cdot A}$,パーセントインピーダンス$\%Z_A=9.0\%$(自己容量ベース),変圧器$B$は,定格容量$S_B=1500{\rm kV \cdot A}$,パーセントインピーダンス$\%Z_B=7.5\%$(自己容量ベース)である。この変圧器$2$台を並行運転し,$6000{\rm kV \cdot A}$の負荷に供給する場合,過負荷となる変圧器とその変圧器の過負荷運転状態${\rm [\%]}$(当該変圧器が負担する負荷の大きさをその定格容量に対する百分率で表した値)の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

過負荷となる変圧器

過負荷運転状態$[\%]$

(1) 変圧器A 101.5
(2) 変圧器B 105.9
(3) 変圧器A 118.2
(4) 変圧器B 137.5
(5) 変圧器A 173.5

 


解答 (2)  

基準となる変圧器を$A$とすると
$\% Z_A'=9 \times \dfrac{5000}{ 5000}=9 \%$
$\% Z_B'=7.5 \times \dfrac{5000}{1500}=25 \%$

全体の$\%$インピーダンス$Z$は
$\% Z=\dfrac{1}{ \dfrac{1}{ 7.5} +\dfrac{1}{25}}=6.62\%$

$P_A=\dfrac{\dfrac{1}{9}} {\dfrac{1}{6.62}} \times 6000=4412 kV \cdot A$
$P_B=\dfrac{\dfrac{1}{25}} {\dfrac{1}{6.62}} \times 6000=1588 kV \cdot A$

よって,過負荷となるのは変圧器$B$
過負荷運転の状態は次のようになります。
$\dfrac{1588}{1500}=1.0587$