橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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平成29年(2017年) 電験三種 法規 問12

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 ※法規に関する法律は毎年変わってきますので、最新の法規を確認して下さい。


  問12

 図に示す自家用電気設備で変圧器二次側($210V$側)$ F $点において三相短絡事故が発生した。次の(a)及び(b)の問に答えよ。

 ただし,高圧配電線路の送り出し電圧は$ 6.6kV $とし,変圧器の仕様及び高圧配電線路のインピーダンスは表のとおりとする。なお,変圧器二次側から$ F $点までのインピーダンス,その他記載の無いインピーダンスは無視するものとする。

 

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  表 

変圧器定格容量/相数

300kV・A/三相

変圧器定格電圧

一次6.6kV/二次210V

変圧器百分率抵抗降下

2%(基準容量300kV・A)

変圧器百分率リアクタンス降下

4%(基準容量300kV・A)

高圧配電線路百分率抵抗降下

20%(基準容量10MV・A)

高圧配電線路百分率リアクタンス降下

40%(基準容量10MV・A)

(a)F点における三相短絡電流の値$[kA]$として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)1.2  (2)1.7 (3)5.2 (4)11.7 (5)14.2

 

(b)変圧器一次側($6.6kV $側)に変流器CTが接続されており,CT二次電流が過電流継電器OCRに入力されているとする。三相短絡事故発生時のOCR入力電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 ただし,CTの変流比は$75A / 5A $とする。

(1)12  (2)18  (3)26  (4)30  (5)42

 

 


 

答え (a) : (5) ,(b) : (4)

 

(a)
 変圧器の2次側の定格電流は

$I=\dfrac{P}{\sqrt{3} V}=\dfrac{300 \times 10^3}{\sqrt{3} \times 210}=824.8 A $
 変圧器の2次側に高圧配電線路の$ \%Z $を変換すると

高圧配電線路百分率抵抗降下は

$ 20 \times \dfrac{300 \times 10^3}{10 \times 10^6}=0.6$
高圧配電線路百分率抵抗リアクタンス降下は

$40 \times \dfrac{300 \times 10^3}{10 \times 10^6}=1.2$
$\%Z=0.6+2.0+j(1.2+4)=2.6+j 5.2$

短絡電流$I_s$は

$\% Z = \dfrac{I}{I_s} \times 100$より

$I_s=\dfrac{824.8}{\sqrt{2.6^2+5.2^2}}\times 100=14187 A=14.2 kA $ 



(b)
1次側の電流は

$14187 \times \dfrac{210}{6600}=451.4 A$


CTの変流比は$75A / 5A$より

$451.4 \times \dfrac{5}{75}=30.09 A$