橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種 電力 基礎力向上テキスト-19

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そちらも見て下さい。 

 


 4.2 %インピーダンス

 %インピーダンスは変圧器などの計算に役に立つもので,基準となる値に対する比で表したものと考えられます。
 定格電圧$I$,定格相電圧$E$,定格線間電圧$V$,インピーダンス$Z$,基準容量$P$とすると,

$\% Z=\dfrac{Z I}{E} \times 100$

$I=\dfrac{P}{\sqrt{3}V} , V=\sqrt{3} E$より

$\% Z=\dfrac{Z P}{V^2} \times 100$


また,短絡電流$I_s$,短絡容量$P_s$とすると,

$\% Z=\dfrac{I}{I_s} \times 100=\dfrac{ P}{P_s} \times 100$

とおくこともできます。

 

例題

 図のように,定格電圧$66[kV]$の電源から三相変圧器を介して二次側に遮断器が接続された系統がある。この三相変圧器は定格容量$10[MV・A]$,変圧比$66/6.6[kV]$,百分率インピーダンスが自己容量基量で$7.5[\%]$である。変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスを基準容量$100[MV・A]$で$5[\%]$とするとき,次の(a)及び(b)に答えよ。

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(a)基準容量を$10[MV・A]$として,変圧器二次側から電源側をみた百分率インピーダンス[%]の値をもとめなさい。

(b)図のA点で三相短絡事故が発生したとき,事故電流を遮断できる遮断器の定格遮断電流[kA]の最小値を求めなさい。ただし,変圧器二次側からA点までのインピーダンスは無視するものとする。

(a)
変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスを基準容量$100[MV・A]$で$5[\%]$より,三相変圧器は定格容量$10[MV・A]$に変換すると

$\% Z'=\% Z \dfrac{10}{100}=0.5$ 

よって
$7.5+0.5=8.0[\%]$

(b)
定格電流は

$I=\dfrac{10 \times 10^6}{\sqrt{3} \times 6600}=874.8 A$
短絡電流を$I_s$とし,次の公式を用いると

$\% Z=\dfrac{I}{I_s} \times 100$ 

$8=\dfrac{874.8}{I_s} \times 100$
$I_s=10935 [A]=10.935 [kA]$