電験三種 理論 基礎力向上テキスト-61
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そちらも見て下さい。
オペアンプを用いたハイパスフィルタ
図5.3.1 オペアンプを用いたハイパスフィルタ(反転)
入力インピーダンスは無限大なので、入力端子-から+へは電流は流れません。このため、$C$と$R_1$を流れる電流iは全て$R_2$に流れます。電圧降下を考えると次式のように求めることができます。
$V_i=\left( R_1+\dfrac{1}{j \omega C}\right)i+V_{-}$ ・・・(5.20)
$V_{-}=R_2 i V_o$ ・・・(5.21)
式(5.21)を変形して
$i=\dfrac{V_{-}-V_o}{R_2}$
この式を式(5.20)に代入すると
$V_i=\left( R_1+\dfrac{1}{j \omega C}\right)\dfrac{V_{-}-V_o}{R_2}+V_{-}$ ・・・(5.22)
$V_{+}$は接地されているので、電圧は0Vとなる。よって、式(1.1)より、$V_{-}=V_{+}=0V$を代入すると、次式のようになります。
$V_i=-\dfrac{R_1}{R_2} \left( 1+\dfrac{1}{j \omega C R_1}\right){V_o}$ ・・・(5.23)
ここで、
$R=R_1=R_2$
とすると、式(5.4)と同じ式となり、ハイパスフィルタとして動作することが分かります。
$G(j \omega)=- \left( \dfrac{j \omega C R}{1+j \omega C R}\right)$
ボード線図を描いてみます。
(a)ゲイン曲線
(b)位相曲線
図5.3.2 オペアンプを用いたハイパスフィルタ