橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和2年(2020年) 電験三種 電力 問8

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そちらも見て下さい。 

 

 


  問8

 定格容量20MV・A,一次側定格電圧77kV,二次側定格電圧6.6kV,百分率インピーダンス10.6%(基準容量20MV・A)の三相変圧器がある。三相変圧器の一次側は77kVの電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。三相変圧器の一次側から見た電源の百分率インピーダンスは,1.1%(基準容量20MV・A)である。抵抗分及びその他の定数は無視する。三相変圧器の二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値[kA]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)1.5  (2)2.6  (3)6.0  (4)20.0  (5)260.0

 


 

答え (4)

 

 図に示すように、発電機と変圧器の百分率インピーダンスは基準容量20MV・A換算になっているので、変換の必要がありません。

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$I$を定格電流、$I_s$を短絡電流、$E$を相電圧、$V$を線間電圧、$P$を定格容量、$Z$をインピーダンスとすると、%インピーダンスの基本式は次のようになります。

$\% Z =\dfrac{I Z}{E} \times 100 [\%]$

また、式変形すると
$\% Z =\dfrac{I }{I_s} \times 100 [\%]$また、$P=\sqrt{3} V I $より、
短絡電流$I_s$は

$I_s=\dfrac{P}{\sqrt{3} V } \dfrac{1}{\% Z} \times 100=\dfrac{20 \times 10^6}{6.6 \times 10^3 \times \sqrt{3} \times 11.7 } \times 100=14.95 k A $

よって、最も近いのは、(4)20.0kA