橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 電力 問16

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問16は、送電線のたるみの問題です。

解いてみましょう。


 

 支持点の高さが同じで径間距離150mの架空電線路がある。電線の質量による荷重が20N/m,線膨張係数は1℃につき0.000018である。電線の導体温度が-10℃のとき,たるみは3.5mであった。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,張力による電線の伸縮はないものとし,その他の条件は無視するものとする。

(a)電線の導体温度が35℃のとき,電線の支持点間の実長の値[m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)150.18   (2)150.23   (3)150.29 
(4)150.34   (5)151.43


(b)(a)と同じ条件のとき,電線の支持点間の最低点における水平張力の値[N]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)6272   (2)12863  (3)13927 
(4)15638  (5)17678



解答(a):(4),(b):(2)   

 

(a)
径間距離$150m$の架空電線路がある。電線の質量による荷重が$20N/m $,電線の導体温度が$10$℃のとき,たるみは$3.5m$より、電線実長$L$は

$L=S+\dfrac{8D^2}{3S}=150+\dfrac{8 \times 3.5^2}{3 \times 150}=150.2178 m $
線膨張係数は1℃につき$0.000018$であるので、電線の導体温度が35℃のとき、電線の伸びは
$150.2178 \times 0.000018 \times (35+10)=0.1217m $
よって、
$150.2178+0.1217=150.3394 \fallingdotseq 150.34m $

(b)(a)のときのたるみ$D[m]$は

$150+\dfrac{8 \times D^2}{3 \times 150}=150.34$

$8 \times D^2=153$
$D=4.373m$
また、$D=\dfrac{WS^2}{8T}$より、式を変形して

$T=\dfrac{WS^2}{8D}=\dfrac{20 \times 150^2}{8 \times 4.373}=12863 [N]$