橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 電力 問12

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そちらも、ご覧になってください。

 

問12は、単相3線式配電方式の問題です。

解いてみましょう。


 

 単相3線式配電方式は,1線の中性線と,中性線から見て互いに逆位相の電圧である2線の電圧線との3線で供給する方式であり,主に低圧配電線路に用いられる。100/200V単相3線式配電方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)電線1線当たりの抵抗が等しい場合,中性線と各電圧線の間に負荷を分散させることにより,単相2線式と比べて配電線の電圧降下を小さくすることができる。

(2)中性線と各電圧線の間に接続する各負荷の容量が不平衡な状態で中性線が切断されると,容量が大きい側の負荷にかかる電圧は低下し,反対に容量が小さい側の負荷にかかる電圧は高くなる。

(3)中性線と各電圧線の間に接続する各負荷の容量が不平衡であると,平衡している場合に比べて電力損失が増加する。

(4)単相100V及び単相200Vの2種類の負荷に同時に供給することができる。

(5)許容電流の大きさが等しい電線を使用した場合,電線1線当たりの供給可能な電力は,単相2線式よりも小さい。

 



解答(5)   

 

誤っているものに注意しましょう。
誤っているのは

(5)許容電流の大きさが等しい電線を使用した場合,電線1線当たりの供給可能な電力は,単相2線式よりも小さい。

電線1線当たりの供給可能な電力は,単相2線式よりも大きい。

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供用電流を$I$とすると、単相2線式の電力は電圧$V=100$とすると、力率を$1$として、
$P_2=VI[W]$
単相3線式の場合、図のように
$P_3=2VI[W]$
となり、単相3線式は2倍の電力が送電できる。ただし、単相3線式は3本なので、約1.3倍送電が可能となります。