橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 電力 問13

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問13は、高低圧配電系統の問題です。

解いてみましょう。


 

 次の文章は,我が図の高低圧配電系統における保護に関する記述である。

 6.6kV高圧配電線に短絡や地絡などの事故が生じたとき,直ちに事故の発生した高圧配電線を切り離すために,[ (ア) ]と保護継電器が配電用変電所の高圧配電線引出口に設置されている。

 樹枝状方式の高圧配電線で事故が生じた場合,事故が発生した箇所の変電所側直近及び変電所から離れた側の[ (イ) ]開閉器を開放することにより,事故が発生した箇所を高圧配電線系統から切り離す。

 柱上変圧器には,変圧器内部及び低圧配電系統内での短絡事故による過電流保護のために高圧カットアウトが設けられているほか,落雷などによる外部異常電圧から保護するために,避雷器を変圧器に対して[ (ウ) ]に設置する。

 [ (エ) ]は低圧配電線から低圧引込線への接続点などに設けられ,低圧引込線で生じた短絡事故などを保護している。

 
 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   (ア)   (イ)   (ウ)   (エ) 
(1) 高圧ヒューズ  区分  直列  配線用遮断器 
(2) 遮断器  区分  並列  ケッチヒューズ(電線ヒュー ズ) 
(3) 遮断器  区分  直列  配線用遮断器 
(4) 高圧ヒューズ  連系  並列  ケッチヒューズ(電線ヒュー ズ) 
(5) 遮断器  連系  直列  ケッチヒューズ(電線ヒュー ズ) 

 

 



解答(2)   

 

 6.6kV高圧配電線に短絡や地絡などの事故が生じたとき,直ちに事故の発生した高圧配電線を切り離すために,[ (ア) 遮断器]と保護継電器が配電用変電所の高圧配電線引出口に設置されている。

 樹枝状方式の高圧配電線で事故が生じた場合,事故が発生した箇所の変電所側直近及び変電所から離れた側の[ (イ) 区分]開閉器を開放することにより,事故が発生した箇所を高圧配電線系統から切り離す。

 柱上変圧器には,変圧器内部及び低圧配電系統内での短絡事故による過電流保護のために高圧カットアウトが設けられているほか,落雷などによる外部異常電圧から保護するために,避雷器を変圧器に対して[ (ウ) 並列]に設置する。

 [ (エ) ケッチヒューズ(電線ヒュー ズ)]は低圧配電線から低圧引込線への接続点などに設けられ,低圧引込線で生じた短絡事故などを保護している。


 短絡や地絡などの事故が生じたとき,配電用変電所の遮断器が動作し、その後、区分開閉器を開放する。事故点を見つけるために、送電再開から送電を再度停止するまでの時間を計測することにより,配電線路の故障区間を判別することができ,この方式は時限順送方式と呼ばれている。

落雷などによる外部異常電圧から保護するために,避雷器を変圧器に対して[ (ウ) 並列]に設置します。直列に設置すると変圧器にも異常電圧が加わることになります。

また、低圧配電線路で短絡故障が生じた際の保護装置として 高圧カットアウトが挙げられますが,これは,通常,柱上変圧器の一次側に取り付けられます。ケッチヒューズは、低圧引込線の電柱側に設けられます。