橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 理論 問10

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問10は、過渡現象の問題です。

$RL$回路の過渡現象の基本問題です。これも瞬殺できる問題です。

解いてみましょう。


 開放電圧が$V[V]$で出力抵抗が十分に低い直流電圧源と,インダクタンスが$L[H]$のコイルが与えられ,抵抗$R[Ω]$が図1のようにスイッチ$S$を介して接続されている。時刻$t=0$でスイッチ$S$を閉じ,コイルの電流$i_L[A]$の時間に対する変化を計測して,波形として表す。$R=1\Omega$としたところ,波形が図2であったとする。$R=2\Omega$であればどのような波形となるか,波形の変化を最も適切に表すものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 ただし,選択肢の図中の点線は図2と同じ波形を表し,実線は$R=2\Omega$のときの波形を表している。

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解答 (4)  

図1において、過渡現象を解くと

$i(t)=\dfrac{E}{R} \left( 1- e^{-\dfrac{R}{L} t} \right)$

となります。このとき時定数は$T=\dfrac{L}{R}=L$となります。
図2から時定数は、約$1[s]$が求められます。

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$R=1\Omega$のとき、$t \rightarrow \infty$とすると
$i_L=E[A]$
となります。

$R=2\Omega$のとき、

となります。このとき時定数は$T'=\dfrac{L}{2}$となります。
よって時定数は約$0.5[s]$となります。

$t \rightarrow \infty$とすると

これらから、最も適切な図は(4)となります。

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