橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

MENU

平成28年(2016年) 電験三種 理論 問12

amazon kindle版で「電験三種」に関する本を出版しました。

そちらも見て下さい。

 

 

 


 

 電荷$q[C]$をもつ荷電粒子が磁束密度$B[T]$の中を速度$v[m/s]$で運動するとき受ける電磁力はローレンツ力と呼ばれ、次のように導出できる。まず、荷電粒子を微小な長さ$\Delta l [m]$をもつ線分と見なせると仮定すれば、単位長さあたりの電荷(線電荷密度という。)は$\dfrac{q}{\Delta l} [C/m]$となる。次に、この線分が長さ方向に速度$v$で動くとき、線分には電流$I=\dfrac{vq}{\Delta l}[A]$が流れていると考えられる。そして、この微小な線電流が受ける電磁力は$F=BI \Delta l \sin \theta [N]$であるから、ローレンツ力の式$F=$[ (ア) ]$[N]$が得られる。ただし、$\theta$は$v$と$B$との方向がなす角である。$F$は$v$と$B$の両方に直交し、$F$の向きはフレミングの[ (イ) ]の法則に従う。


 では、真空中でローレンツ力を受ける電子の運動はどうなるだろうか。鉛直下向きの平等な磁束密度$B$が存在する空間に、負の電荷をもつ電子を速度$v$で水平方向に放つと、電子はその進行方向を前方とすれば[ (ウ) ]のローレンツ力をうけて[ (エ) ]する。
 ただし、重力の影響は無視できるものとする。

  上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組み合わせとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

  (ア)  (イ)  (ウ)  (エ) 
(1)  $qvB \sin \theta$  右手  右方向  放物線運動
(2)  $qvB \sin \theta$  左手  右方向  円運動
(3)  $qvB \Delta l \sin \theta$  右手  左方向  放物線運動
(4)  $qvB \Delta l \sin \theta$  左手  左方向  円運動
(5)  $qvB \Delta l \sin \theta$  左手  右方向  ブラウン運動

解答 (2)  

 

 ローレンツ力は$I=\dfrac{vq}{\Delta l}[A]$と$F=BI \Delta l \sin \theta [N]$より
$F=B \dfrac{vq}{\Delta l} \Delta l \sin \theta =Bvq \sin \theta=qvB \sin \theta[N]$
[N]となる。
 電子が受ける力は「右方向」の力を受けて、「円運動」をする。