橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和2年(2020年) 電験三種 理論 問7の続き

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そちらも見て下さい。 

 

 


  問7

 図のように,直流電源にスイッチ$S$,抵抗5個を接続したブリッジ回路がある。この回路において,スイッチ$S$を開いたとき,$S$の両端間の電圧は$1V$であった。スイッチ$S$を閉じたときに$8 \Omega$の抵抗に流れる電流$I$の値[A]として,最も近
いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

f:id:hashi-rei-channel:20201006175637p:plain

(1) 0.10  (2) 0.75  (3) 1.0  (4) 1.4  (5) 2.0

 


 

答え (1)

 テブナンの定理を使わずに、ブリッジ回路をキルヒホッフの法則で解いてみましょう。

ブリッジ回路は次のようになります。この中で$8 \Omega $を流れる電流$I$をキルヒホッフの法則で求めてみましょう。

f:id:hashi-rei-channel:20201007141434p:plain

電流を図の向きとすると、電流に関する式は
$i_5=i_1+i_2$・・・(1)

$i_5=i_3+i_4$・・・(2)

$i_1=i_4+I$・・・(3)

$i_3=i_2+I$・・・(4)

時計回りを正として、電圧降下の式は

$5=i_2 \times 2+i_3 \times 3$・・・(5)

$0=i_1 \times 1+I \times 8- i_2 \times 2$・・・(6)

$0=i_4 \times 4-I \times 8- i_3 \times 3$・・・(7)

と式が多く出てきましたが、この式から、$I$を求めてみましょう。 

 式(1)、(2)より

$i_1+i_2=i_3+i_4$・・・(1)’ この式は使いません。

 式(3)、(4)を(5)、(6)、(7)に代入します。

$5=2 i_2 +3(i_2+I)$

$5=5 i_2 +3I$・・・(5)'

(5)'を変形して

$i_2=1-\dfrac{3}{5}I$・・・(5)''

$0=i_4+9I- 2i_2$・・・(6)'

$0=4i_4 -8I- 3(i_2+I) $

$0=4i_4 -11I- 3i_2 $・・・(7)'

式(5)''を式(6)'、(7)'に代入します。

$0=i_4+9I- 2 \left( 1-\dfrac{3}{5}I \right)$

$0=i_4+9I- 2+\dfrac{6}{5}I$

$0=i_4- 2+\dfrac{51}{5}I$

$i_4= 2-\dfrac{51}{5}I$・・・(6)''

 

$0=4i_4 -11I- 3\left( 1-\dfrac{3}{5}I \right) $

$0=4i_4 -11I- 3+\dfrac{9}{5}I  $

$0=4i_4 - 3-\dfrac{46}{5}I  $・・・(7)''

 式(6)''を(7)''に代入すると

$0=4 \left(2-\dfrac{51}{5}I \right) - 3-\dfrac{46}{5}I  $

$0=8-\dfrac{204}{5}I - 3-\dfrac{46}{5}I$  

$-5=-\dfrac{250}{5}I$  

$-5=-50I$

$I=0.1 A$  

 テブナンの定理で計算した方が簡単に解くことができます。