橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

MENU

電験三種 理論 基礎力向上テキスト-10

amazon kindle版の「最新令和2年版 電験三種(理論)基礎力向上テキスト」に関する本を出版しました。

そちらも見て下さい。 

 


 2. 直流回路の法則

 2.6 ブリッジ回路

図2.6のような回路をブリッジ回路と呼ぶ。この回路において,
 $R_1 R_3=R_2 R_4$ 

のとき,検流計$G$に電流は流れない。
 このときを,ブリッジが平衡したといい,この式をブリッジの平衡条件と呼ぶ。
 この平衡条件は交流回路のときも成り立ちます。

f:id:hashi-rei-channel:20200319161007p:plain


 例題 1

 図の回路において,$R_4$を$10k \Omega$に調整したら,検流計$G$に電流が流れなくなった。このとき,抵抗$R_3$の値を求めなさい。ただし,$R_1=5 \Omega, R_2=30\Omega$とする。
 平衡条件より
 $R_1 R_3=R_2 R_4$

$R_3=\dfrac{R_2 R_4}{R_1}=\dfrac{30 \times 10 \times 10^3}{5}=60 \times 10^3=60[k\Omega]$

f:id:hashi-rei-channel:20200319161047p:plain


例題2(平成27年度 第三種電気主任技術者 理論 問6)

 図のように,抵抗とスイッチ$S$を接続した直流回路がある。いま,スイッチ$S$を開閉しても回路を流れる電流$I[A]$は,$I=30A$で一定であった。このとき,抵抗$R_4$の値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)0.5 (2)1.0 (3)1.5 (4)2.0 (5)2.5

f:id:hashi-rei-channel:20200319163242p:plain

 


解答(2)

 ブリッジ回路でも、電験三種の問題はちょっとひねっています。

電圧$100V$で、電流$30A$なので、全部の合成抵抗は$\dfrac{100}{30}=\dfrac{10}{3}\Omega$となります。

また、平衡状態より

$R_1 R_4=R_2 R_3$

値を代入して

$8 R_4=4 R_3$

$2 R_4= R_3$

スイッチを入れても、入れていなくても同じなので、

スイッチを入れていない状態で考えると,合成抵抗$r$は

$r=\dfrac{(8+R_3)(4+R_4)}{8+R_3+4+R_4}$

$2 R_4= R_3$を代入すると

$r=\dfrac{(8+2 R_4)(4+R_4)}{12+2 R_4+R_4}$

$=\dfrac{(8+2 R_4)(4+R_4)}{12+3 R_4}$

$=\dfrac{2(4+ R_4)(4+R_4)}{3(4+ R_4)}$

$=\dfrac{2(4+ R_4)}{3}$

$=\dfrac{10}{3}$ 

よって、$R_4=1\Omega,R_3=2 \Omega$