電験三種 理論 基礎力向上テキスト-10
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そちらも見て下さい。
2. 直流回路の法則
2.6 ブリッジ回路
図2.6のような回路をブリッジ回路と呼ぶ。この回路において,
$R_1 R_3=R_2 R_4$
のとき,検流計$G$に電流は流れない。
このときを,ブリッジが平衡したといい,この式をブリッジの平衡条件と呼ぶ。
この平衡条件は交流回路のときも成り立ちます。
例題 1
図の回路において,$R_4$を$10k \Omega$に調整したら,検流計$G$に電流が流れなくなった。このとき,抵抗$R_3$の値を求めなさい。ただし,$R_1=5 \Omega, R_2=30\Omega$とする。
平衡条件より
$R_1 R_3=R_2 R_4$
$R_3=\dfrac{R_2 R_4}{R_1}=\dfrac{30 \times 10 \times 10^3}{5}=60 \times 10^3=60[k\Omega]$
図のように,抵抗とスイッチ$S$を接続した直流回路がある。いま,スイッチ$S$を開閉しても回路を流れる電流$I[A]$は,$I=30A$で一定であった。このとき,抵抗$R_4$の値[Ω]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)0.5 (2)1.0 (3)1.5 (4)2.0 (5)2.5
解答(2)
ブリッジ回路でも、電験三種の問題はちょっとひねっています。
電圧$100V$で、電流$30A$なので、全部の合成抵抗は$\dfrac{100}{30}=\dfrac{10}{3}\Omega$となります。
また、平衡状態より
$R_1 R_4=R_2 R_3$
値を代入して
$8 R_4=4 R_3$
$2 R_4= R_3$
スイッチを入れても、入れていなくても同じなので、
スイッチを入れていない状態で考えると,合成抵抗$r$は
$r=\dfrac{(8+R_3)(4+R_4)}{8+R_3+4+R_4}$
$2 R_4= R_3$を代入すると
$r=\dfrac{(8+2 R_4)(4+R_4)}{12+2 R_4+R_4}$
$=\dfrac{(8+2 R_4)(4+R_4)}{12+3 R_4}$
$=\dfrac{2(4+ R_4)(4+R_4)}{3(4+ R_4)}$
$=\dfrac{2(4+ R_4)}{3}$
$=\dfrac{10}{3}$
よって、$R_4=1\Omega,R_3=2 \Omega$