基礎から学ぶ制御工学-22
基礎から学ぶ制御工学
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5.2 インパルス応答
システムの特性は、入力を与え出力の応答を観察することが、システムの伝達関数の特性を知ることとなります。様々な入力を与えることもできますが、一定の入力を与え応答を知ることによって、容易に比較が可能となります。ここでは、まず、インパルス応答について説明します。
インパルス応答は、次式で示すような$t=0$で無限大の入力$u_i(t)$を与えるものです。
$\displaystyle{\int_{-\infty}^{\infty} u_i(t) dt=1 },u_i(t) ={\left\{\begin{array}{l} \infty (t=0) \\0 (t \neq 0)\end{array}\right. }$・・・(5.2.1)
インパルス関数を図で表すと、図5.1.2のようになります。
図5.1.3に、$T=1$、$K=1$としたときの1次遅れ系のインパルス応答を示します。1次遅れ系の伝達関数を次式のように表します。
$G(s)=\dfrac{K}{Ts+1}$・・・(5.2.2)
$T$:システムの時定数、$K$:システムのゲイン
インパルス応答を求めることによって、
・応答の速さ(減衰の速さ)
・減衰特性
が分かります。