橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和元年(2019年) 電験三種 電力 問8

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そちらも見て下さい。

 

問8は、継電器に関する問題です。

計算問題です。タイムレバー位置1、図はタイムレバー位置10、に注意しましょう。

解いてみましょう。


 図1のように,定格電圧66kVの電源から三相変圧器を介して二次側に遮断器が接続された三相平衡系統がある。三相変圧器は定格容量7.5MV・A,変圧比66kV/6.6kV,百分率インピーダンスが自己容量基準で9.5%である。また,三相変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスは基準容量10MV・Aで1.9%である。過電流継電器(OCR)は変流比1000A / 5Aの計器用変流器(CT)の二次側に接続されており,整定タップ電流値5A,タイムレバー位置1に整定されている。図1のF点で三相短絡事故が発生したとき,過電流継電器の動作時間[s]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 ただし,三相変圧器二次側からF点までのインピーダンス及び負荷は無視する。また,過電流継電器の動作時間は図2の限時特性に従い,計器用変流器の磁気飽和は考慮しないものとする。

 

(1)0.29   (2)0.34   (3)0.38   (4)0.46   (5)0.56

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解答 (3)  

 

$10MV \cdot A$で$1.9 \%$を$7.5 MV \cdot A$に変換すると

$1.9 \times \dfrac{7.5}{10}=1.425[\%]$

よって、百分率インピーダンスを合計すると
$9.5+1.425=10.925[ \% ]$
定格電流$I_n$は

$I_n=\dfrac{P}{\sqrt{3} V} =\dfrac{7.5 \times 10^6}{\sqrt{3} \times 6.6 \times 10^3}=656[A]$

短絡電流$I_s$とすると、次式のようになるので

$\% Z=\dfrac{I_n}{I_s}\times 100$

よって、短絡電流は

$I_s=\dfrac{I_n}{\% Z} \times 100=\dfrac{656}{10.925}\times 100=6005.3[A]$

変流比$1000A / 5A$、整定タップ電流値$5A$より、$6$倍の電流が流れるので


グラフから、$3.8 s$となる。ここで、タイムレバー位置$10$のグラフなのでタイムレバー位置$1$に換算すると、

$3.8 \times \dfrac{1}{10}=0.38[s]$

となる。

 

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