橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種 理論 基礎力向上テキスト-7

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そちらも見て下さい。 

 


 1. 直流回路

 1.8 電力・電力量の計算

  直流回路における電力は消費電力や有効電力などと呼ばれ,1秒間に行われる仕事の量[J/s]=[W]となります。

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電力は次式で計算できます。

$P=VI=RI^2=\dfrac{V^2}{R} [W]$

電力量は電力×時間で表され,工場や家庭ではキロワット時[kWh]がよく用いられます。電力量は次式で計算でき,単位は[J]または[W・s]です。
 $W=Pt $[J]または[W・s]

 


 例題

(令和元年度 第三種電気主任技術者 理論 問6)

 図に示す直流回路は,100Vの直流電圧源に直流電流計を介して10Ωの抵抗が接続され,50Ωの抵抗と抵抗R[Ω]が接続されている。電流計は5Aを示している。抵抗R[Ω]で消費される電力の値[W]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。なお,電流計の内部抵抗は無視できるものとする。

 

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(1) 2 (2) 10 (3) 20 (4) 100 (5) 200

 


 解答(5)

電流計の内部抵抗は無視できるので、回路に示されている抵抗だけ考えれば良い。

まず、100Vで5Aの電流が流れているので、全体の合成抵抗$r$は

$r=\dfrac{100}{5}=20[\Omega]$

並列部の抵抗は、$20-10=10[\Omega]$となります。

よって、並列部は次のように計算できます。

$10=\dfrac{50 \times R}{50+R}$

$10(50+R)=50 R$

$500=40 R$

$R=12.5[\Omega]$

・並列部に加わる電圧から電力を求めると、

並列部の抵抗が$10\Omega$より、

ちょうど半分の$50[V]$となります。

よって、消費される電力$P[W]$は

$P=\dfrac{50^2}{12.5}=200[W]$

 

・または、抵抗$R$を流れる電流から電力を求めると

抵抗$R$を流れる電流$I_R$は抵抗の値から

$I_R=\dfrac{50}{50+12.5} \times 5=4[A]$

よって、消費される電力$P[W]$は

$P=12.5 \times 4^2=200[W]$

 

この場合は、上の電圧から電力を求める方が容易に求められます。