橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種の電気数学-6

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そちらも見て下さい。

 

数字の基礎、今回は1次不等式です。


1次不等式

 電験三種の計算問題は選択式なので、不等式の選択肢は多くありませんが、不等式を使った問題もよく出題されます。例えば、
「③ RLC直列回路に角周波数$\omega [rad/s]$の交流電圧を加えたとき,$\omega L \gt \dfrac{1}{\omega C}$の場合,回路を流れる電流の位相は回路に加えた電圧より遅れ,$\omega L \lt \dfrac{1}{\omega C}$の場合,回路を流れる電流の位相は回路に加えた電圧より進む。(H26 理論 問10)」。ここでは理論の例を示しましたが、理論の問題以外にも出題されています。


(1)不等式の性質
 不等式は大小関係を$\gt , \lt, \geqq,\leqq$の記号を用いて表した式です。

不等式の性質は
①$x \gt y$ならば$x-y \gt 0$ である。
②$x \gt 0,y \gt 0 $ならば$x+y \gt  0,xy \gt 0$
③$x \gt y,  y \gt z$ならば$x \gt z$
④$x \gt y$ならば$x+z \gt y+z, x-z \gt y-z$

  $x \gt y$で$z \gt 0$のとき,$xz \gt yz,\dfrac{x}{z}  \gt  \dfrac{y}{z}$
  $x \gt y$で$z \lt 0$のとき,$xz \lt yz,\dfrac{x}{z}  \lt  \dfrac{y}{z}$
  ・・・※両辺に負の値をかけると符号が逆になる。

(2)不等式の計算
 xの次数が1次で、すべての項を左辺に移動したとき、xの1次不等式と呼びます。次の式のような例になります。
$3x+5 \gt x-3$
$3x+5-x+3 \gt 0$
$2x+8 \gt 0$

1次不等式は、次のように解きます。
$2x \gt -8$
$x \gt -4$
もし、$x$の係数が負のときは、不等号の記号が逆になることに注意が必要です。


(3)連立不等式
 2つ以上の不等式を解くときに連立方程式を解くといいます。
連立不等式の例を解いてみましょう。
$2x+3 \gt 5x-3$
$3x+4 \gt x-2$

$2x-5x \gt -3-3$
$-3x \gt -6$
$x \lt 2$ ・・・①

$3x-x \gt -2-4$
$2x \gt -6$
$x \gt -3$ ・・・②
①と②が同時に成り立つので、数直線で表すと次のようになります。

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よって、連立不等式の解は
$-3 \lt x \lt 2$


(4)絶対値と不等式
 $x \gt 0$のとき$\vert  x \vert=x, x \lt 0$のとき$\vert  x \vert =-x$となるので、
 
$\vert  x \vert \lt y$ のとき $-y \lt x \lt y$
$\vert  x \vert \gt y$ のとき $x \lt -y, y \lt x$

 

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