橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和元年(2019年) 電験三種 理論 問12

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そちらも見て下さい。

 

問12は電界内の電子の運動に関する問題です。

高校物理で出てくる問題です。

解いてみましょう。


 図のように,極板間の距離$d[m]$の平行板導体が真空中に置かれ,極板間に強さ$E[V/m]$の一様な電界が生じている。質量$m[kg]$、電荷量$q\gt 0[C]$の点電荷が正極から放出されてから,極板間の中心$\dfrac{d}{2}[m]$に達するまでの時間$t[s]$を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 ただし,点電荷の速度は光速より十分小さく,初速度は$ 0m/s $とする。また,重力の影響は無視できるものとし,平行板導体は十分大きいものとする。

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(1)$\sqrt{\dfrac{m d}{q E}}$

(2)$\sqrt{\dfrac{2 m d}{q E}}$

(3)$\sqrt{\dfrac{q E d}{m}}$

(4)$\sqrt{\dfrac{q E}{m d}}$

(5)$\sqrt{\dfrac{2 q E}{m d}}$

 

 


解答 (1)  

電荷$q$に加わる力は
$F=E q$
また、運動方程式より、加速度を$a[m/s^2]$とすると
$F=m a=E q$

$a=\dfrac{E q}{m}$
また、 $\dfrac{d}{2}[m]$進むまでの時間なので、
物理の運動で習った式を用いると、初速度$0 m/s$、初期位置$0m$とすると距離$x$は

$x=\dfrac{1}{2}a t^2$

$\dfrac{d}{2}[m]$進むので、

$\dfrac{d}{2}=\dfrac{1}{2} a t^2$

変形して,$a=\dfrac{E q}{m}$を代入すると

$t=\sqrt{\dfrac{d}{a}}=\sqrt{\dfrac{m d}{q E}}$