橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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平成30年(2018年) 電験三種 理論 問12

問12は磁界中の電子の運動の問題です。

高校物理に出てきそうな問題です。

この問題は確実に押さえておきたい問題です。

 


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 問12

 図のように,平等磁界の存在する真空かつ無重力の空間に,電子を$x$方向に初速度$v[m/s]$で放出する。平等磁界は$z$方向であり磁束密度の大きさ$B[T]$をもつとし,電子の質量を$m[kg]$,素電荷の大きさを$e[C]$とする。ただし,紙面の裏側から表側への向きを$z$方向の正とし,$v$は光速に比べて十分小さいとする。このとき,電子の運動は[ (ア) ] となり,時間$T=$[ (イ) ][s]後に元の位置に戻ってくる。電子の放出直後の軌跡は破線矢印の[ (ウ) ]のようになる。
 一方,電子を磁界と平行な$z$方向に放出すると,電子の運動は[ (エ) ]となる。

 上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

f:id:hashi-rei-channel:20190405120652p:plain

 

 

(ア)

(イ)

(ウ)

(エ)

(1) 単振動 $$\dfrac{m}{eB}$$ $$a$$ 等加速度運動
(2) 単振動 $$\dfrac{m}{2 \pi eB}$$ $$b$$ らせん運動
(3) 等速円運動 $$\dfrac{m}{eB}$$ $$c$$ 等加速度運動
(4) 等速円運動 $$\dfrac{2 \pi m}{eB}$$ $$c$$ らせん運動
(5) 等速円運動 $$\dfrac{2 \pi m}{eB}$$ $$a$$ 等加速度運動

 


 

答え (5)

(ア)

電界中を電子は「等速円運動」をする。

(イ)
半径$r=\dfrac{mv}{eB}$より、$v=\dfrac{reB}{m}$


周期$T=\dfrac{2 \pi r}{v}=\dfrac{2 \pi m}{eB}$

(ウ)

また進行方向は$a$となる。

(エ)
$F=eE=ma$の力を電子が受けるので、「等加速度運動」をする。