橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和4年(2022年) 上期 電験三種 理論 問17

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問17は、コンデンサに関する問題です。この問題も基本中の基本の問題ですので、解けるようにしておきましょう。

解いてみましょう。


 

 図のように直列に接続された二つの平行平板コンデンサに$120V$の電圧が加わっている。 コンデンサ$C_1$の金属板間は真空であり,コンデンサ$C_2$の金属板間には比誘電率$\epsilon_r$の誘電体が挿入されている。コンデンサ$C_1,C_2$の金属板間の距離は等しく,$C_1$の金属板の面積は$C_2$の$2$倍である。このとき,コンデンサ$C_1$の両端の電圧が$80V$であった。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
 ただし,コンデンサの端効果は無視できるものとする。

(a)コンデンサ$C_2$の誘電体の比誘電率$\epsilon_r$の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)1 (2)2 (3)3 (4)4 (5)5

(b)$C_1$の静電容量が$30 \mu F$のとき,$C_1$と$C_2$の合成容量の値[$\mu F$]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)10 (2)20 (3)30 (4)40 (5)50

 


解答 (a):(4),(b):(2)  

 

(a)

 コンデンサ$C_1$の金属板間は真空であり,コンデンサ$C_2$の金属板間には比誘電率$\epsilon_r$の誘電体が挿入されている。また、コンデンサ$C_1,C_2$の金属板間の距離$d$は等しく,$C_1$の金属板の面積は$C_2$の面積$S$の2倍であるので、次のような式で表されます。
$C_1=\epsilon_0 \dfrac{2S}{d}[F]$、$C_2=\epsilon_0 \epsilon_r \dfrac{S}{d}[F]$
二つの平行平板コンデンサに$120V$の電圧が加わっており、コンデンサ$C_1$の両端の電圧が$80V$です。また、直列の場合、コンデンサ電荷は等しいので、
$Q=C_1V_1=C_2V_2$

$\epsilon_0 \dfrac{2S}{d} \times 80=\epsilon_0 \epsilon_r \dfrac{S}{d} \times 40$

よって、比誘電率$\epsilon_r=4$

 

(b)

(a)より、$Q=C_1V_1=C_2V_2$に値を代入すると
$30 \times 80=C_2 \times 40$
$C_2=60 \mu F$
よって合成静電容量は

$C=\dfrac{C_1 C_2}{C_1+C_2}=\dfrac{30 \times 60}{30+60}=20 \mu F$