橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 理論 問7

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問7は、最大電力の法則の問題です。

瞬殺できる問題です。

解いてみましょう。


 図のように,起電力$E[V]$,内部抵抗$r[\Omega]$の電池$n$個と可変抵抗$R[\Omega]$を直列に接続した回路がある。この回路において,可変抵抗$R[\Omega]$で消費される電力が最大になるようにその値$[\Omega]$を調整した。このとき,回路に流れる電流$I$の値$[A]$を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

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(1)$\dfrac{E}{R}$  (2)$\dfrac{nE}{\left( \dfrac{1}{n} +n \right)r}$  (3)$\dfrac{nE}{(1+n)r}$  (4)$\dfrac{E}{2 r}$  (5)$\dfrac{E}{ r}$

 

 



解答 (4)  

 最大電力の法則から$R=nr$となります。よって流れる電流は、起電力が$nE$より、次式で求めることができます。

$I=\dfrac{nE}{R+nr}=\dfrac{nE}{nr+nr}=\dfrac{E}{2r}[A]$
 最大電力の法則を使わずに求めると、

$P=RI^2=R \left( \dfrac{nE}{R+nr}\right)^2$

$=R \left( \dfrac{(nE)^2}{(R+nr)^2}\right)$

$=R\left( \dfrac{(nE)^2}{R^2+2nrR+n^2 r^2}\right)$

$=  \dfrac{(nE)^2}{R+2nr+\dfrac{n^2 r^2}{R}}$

$=  \dfrac{(nE)^2}{(\sqrt{R})^2-4nr+\left( \dfrac{n^2 r^2}{\sqrt{R}} \right)+4nr}$

$=  \dfrac{(nE)^2}{ \left(\sqrt{R}-\dfrac{n r}{\sqrt{R}} \right)^2+4nr}$

 分母は、下に凸の二次関数になるので、電力の最大値は、$\sqrt{R}=\dfrac{n r}{\sqrt{R}},R=nr$のとき、$I=\dfrac{nE}{R+nr}=\dfrac{nE}{nr+nr}=\dfrac{E}{2r}[A]$

$P=\dfrac{(nE)^2}{4nr}$