橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 機械 問13

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問13は、制御に関する問題です。

解いてみましょう。


 

 次の文章は,図に示す抵抗$R$,並びにキャパシタ$C$で構成された一次遅れ要素に関する記述である。

 図の回路において,入力電圧に対する出力電圧を,一次遅れ要素の周波数伝達関数として表したとき,折れ点角周波数$\omega_c$は[ (ア) ]rad/sである。ゲイン特性は,$\omega_c$よりも十分低い角周波数ではほぼ一定の[ (イ) ]dBであり,$\omega_c$よりも十分高い角周波数では,角周波数が$10$倍になるごとに[ (ウ) ]dB減少する直線となる。また,位相特性は,$\omega_c$よりも十分高い角周波数でほぼ一定の[ (エ) ]°の遅れとなる。

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 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

   (ア)   (イ)   (ウ)   (エ) 
(1) 100  20  10  45 
(2) 100  20 90 
(3) 100  20 45 
(4) 0.01  10 90 
(5) 0.01  20  20 45 

 

 



解答(2)   

 

 入力電圧を$v_i$出力電圧を$v_o$、流れる電流を$i$とすると、
$v_i=R i+v_o$
$i=C \dfrac{d}{dt}v_0$より、

$v_i=R C \dfrac{d}{dt}v_0+v_o$

ラプラス変換すると、

$V_i(s)=sRC V_o(s)+V_o(s)$

伝達関数

$\dfrac{V_o(s)}{V_i(s)}=\dfrac{1}{sRC+1}$

システムのゲイン$K=1$、時定数$T=RC$となる。
よって、折れ点周波数は
$\dfrac{1}{T}=\dfrac{1}{10 \times 0.001}=100 [rad/sec]$
 図の回路において,入力電圧に対する出力電圧を,一次遅れ要素の周波数伝達関数として表したとき,折れ点角周波数$\omega_c$は[ (ア) $100$]rad/sである。ゲイン特性は,$\omega_c$よりも十分低い角周波数ではほぼ一定の[ (イ)$0$ ]dBであり,$\omega_c$よりも十分高い角周波数では,角周波数が$10$倍になるごとに[ (ウ)$20$ ]dB減少する直線となる。また,位相特性は,$\omega_c$よりも十分高い角周波数でほぼ一定の[ (エ) $90$]°の遅れとなる。
 ボード線図を描くと次のようになります。

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                            ゲイン曲線

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                            位相曲線