橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 機械 問11

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問11は、パワーエレクトロニクスに関する問題です。

解いてみましょう。


 

 図は昇降圧チョッパを示している。スイッチ$Q$,ダイオード$D$,リアクトル$L$,コンデンサ$C$を用いて,図のような向きに定めた負荷抵抗$R$の電圧$v_0$を制御するためのものである。これらの回路で,直流電源$E$の電圧は一定とする。また,回路の時定数は,スイッチ$Q$の動作周期に対して十分に大きいものとする。回路のスイッチ$Q$の通流率$\gamma$とした場合,回路の定常状態での動作に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

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(1)$Q$がオンのときは,電源$E$からのエネルギーが$L$に蓄えられる。

(2)$Q$がオフのときは,$L$に蓄えられたエネルギーが負荷抵抗$R$とコンデンサ$C$に$D$を通して放出される。

(3)出力電圧$v_0$の平均値は,$\gamma$が$0.5$より小さいときは昇圧チョッパ,$0.5$より大きいときは降圧チョッパとして動作する。

(4)出力電圧$v_0$の平均値は,図の$v_0$の向きを考慮すると正になる。

(5)$L$の電圧$v_L$の平均電圧は,$Q$のスイッチング一周期で$0$となる。

 



解答(3)   

 

誤っているものに注意しましょう。
誤っているのは、

(3)出力電圧$v_0$の平均値は,$\gamma$が$0.5$より小さいときは降圧チョッパ,$0.5$より大きいときは昇圧チョッパとして動作する。

出力電圧は以下の式で表されますので

$v_0=\dfrac{\gamma}{1-\gamma}E$

となり、
$\gamma$が$0.5$より小さいときは降圧チョッパ
$\gamma$が$0.5$より大きいときは昇圧チョッパ
となります。