橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 機械 問3

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問3は、三相誘導電動機の特性に関する問題です。

解いてみましょう。


 

 一定電圧,一定周波数の電源で運転される三相誘導電動機の特性に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)かご形誘導電動機では,回転子の導体に用いる棒の材料を銅から銅合金に変更すれば,等価回路の二次抵抗の値が増大するので,定格負荷時の効率が低下する。

(2)巻線形誘導電動機では,トルクの比例推移により,二次抵抗の値を大きくすると,最大トルク(停動トルク)を発生する滑りが小さくなり,始動特性が良くなる。

(3)巻線形誘導電動機では,外部の可変抵抗器で二次抵抗値を変化させ,大きな始動トルクと定格負荷時高効率の両方を実現することができる。

(4)二重かご形誘導電動機では,始動時に回転子スロット入口に近い断面積が小さい高抵抗の導体に,定格負荷時には回転子内部の断面積が大きい低抵抗の導体に主要な二次電流を流し,大きな始動トルクと定格負荷時高効率の両方を実現することができる。

(5)深溝かご形誘導電動機では,幅が狭い平たい二次導体の表皮効果による抵抗値の変化を利用し,大きな始動トルクと定格負荷時高効率の両方を実現することができる。 

 



解答(2)   

 

誤っているものに注意しましょう。

誤っているものは、

(2)巻線形誘導電動機では,トルクの比例推移により,二次抵抗の値を大きくすると,最大トルク(停動トルク)を発生する滑りが小さくなり,始動特性が良くなる。

 巻線形誘導電動機の始動法として、スリップリングとブラシと通じて、二次抵抗を接続し、始動抵抗を大きくすると、始動電流を小さくでき、始動トルクを大きくできます。始動すると二次抵抗を小さくしていき、定格に達したときに、二次抵抗を短絡します。

ここで、トルクの比例推移より、二次抵抗の値を大きくすると,$\dfrac{s}{r}=\dfrac{s+\Delta s}{r+\Delta r}$となり、最大トルク(停動トルク)を発生する滑りが大きくなる。始動特性は良くなります。