橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和2年(2020年) 電験三種 機械 問7

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  問7

 電動機と負荷の特性を,回転速度を横軸,トルクを縦軸に描く,トルク対速度曲線で考える。電動機と負荷の二つの曲線が,どのように交わるかを見ると,その回転数における運転が,安定か不安定かを判定することができる。誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)負荷トルクよりも電動機トルクが大きいと回転は加速し,反対に電動機トルクよりも負荷トルクが大きいと回転は減速する。回転速度一定の運転を続けるには,負荷と電動機のトルクが一致する安定な動作点が必要である。

 

(2)巻線形誘導電動機では,回転速度の上昇とともにトルクが減少するように,二次抵抗を大きくし,大きな始動トルクを発生させることができる。この電動機に回転速度の上昇とともにトルクが増える負荷を接続すると,両曲線の交点が安定な動作点となる。

 

(3)電源電圧を一定に保った直流分巻電動機は,回転速度の上昇とともにトルクが減少する。一方, 送風機のトルクは,回転速度の上昇とともにトルクが増大する。したがって,直流分巻電動機は,安定に送風機を駆動することができる。

 

(4)かご形誘導電動機は,回転トルクが小さい時点から回転速度を上昇させるとともにトルクが増大,最大トルクを超えるとトルクが減少する。この電動機に回転速度でトルクが変化しない定トルク負荷を接続すると,電動機と負荷のトルク曲線が2点で交わる場合がある。この場合,加速時と減速時によって安定
な動作点が変わる。

 

(5)かご形誘導電動機は,最大トルクの速度より高速な領域では回転速度の上昇とともにトルクが減少する。一方,送風機のトルクは,回転速度の上昇とともにトルクが増大する。したがって,かご形誘導電動機は,安定に送風機を駆動することができる。

 


  答え (4) 

 

 トルクとすべり(速度)の図の停動トルクより大きい箇所は安定であり、安定な領域で動作点が交われば、動作点は加速、減速しても変化しない。また、停動トルク以下の回転数ではそもそも不安定となります。

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