橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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令和3年(2021年) 電験三種 理論 問12

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問12は、電子の運動の問題です。

これは、高校物理の範囲でしょう。

ブラウン管TVが世の中から無くなったので、電子の運動は出題が難しい傾向にあります。

解いてみましょう。


 図のように,$x$方向の平等電界$E[V/m]$,$y$方向の平等磁界$H[A/m]$が存在する真空の空間において,電荷$-e[C]$,質量$m[kg]$をもつ電子が$z$方向の初速度$v[m/s]$で放出された。この電子が等速直線運動をするとき,$v$を表す式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,真空の誘電率を$\epsilon_0[F/m]$,真空の透磁率を$\mu_0[H/m]$とし,重力の影響を無視する。

 また,電子の質量は変化しないものとする。図中のf:id:hashi-rei-channel:20211113145231p:plainは紙面に垂直かつ手前の向きを表す。

f:id:hashi-rei-channel:20211113140027p:plain

(1)$\dfrac{\epsilon_0 E}{\mu_0 H}$  (2)$\dfrac{ E}{ H}$  (3)$\dfrac{ E}{\mu_0 H}$  (4)$\dfrac{H}{\epsilon_0 E}$  (5)$\dfrac{\mu_0 H}{ E}$

 

 



解答 (3)  

f:id:hashi-rei-channel:20211113140212p:plain

まずは電界$E$だけを考えたとき、電子に加わる力は下向きに
$F=eE[N]$
次に、磁界だけを考えたとき電子に加わる力はフレミングの左手の法則から上向きに
$F=evB[N]$
となります。この2つの力が釣り合えば、電子は等速直線運動するので、
$eE=evB=ev \mu_0 H$
よって式を変形すると、

$v=\dfrac{ E}{\mu_0 H}$