電験三種 理論 基礎力向上テキスト-24
amazon kindle版の「最新令和2年版 電験三種(理論)基礎力向上テキスト」に関する本を出版しました。
そちらも見て下さい。
第3編 過渡現象
3. 過渡現象例題
図のように電圧$E[V]$の直流電源、スイッチ$S,R[\Omega]$の抵抗及び静電容量$C[F]$のコンデンサからなる回路がある。この回路において、スイッチ$S$を1側に接続してコンデンサを十分に充電した後、時刻$t=0s$でスイッチSを1側から2側に切り換えた。2側に切り換えた以降の記述として、誤っているものを次の①~⑤のうちから一つ選べ。
ただし、自然対数の底は2.718とする。
①回路の時定数は、$C$の値に比例する。
②コンデンサの端子電圧$v_C$ [V]は、$R$の値[Ω]が大きいほど穏やかに減少する。
③時刻$t=0s$から回路の時定数だけ時間が経過すると、コンデンサの端子電圧$v_C [V]$は直流電源の電圧$E[V]$の0.368倍に減少する。
④抵抗の端子電圧$v_R$[V]の極性は、切り換え前と(コンデンサ充電中)と逆になる。
⑤時刻$t=0s$における回路の電流$i[A]$は、$C$の値$[F]$に関係する。
答え ⑤
※「誤っているもの」に注意
①時定数$t=CR$となる。 ○
② ①より$R$が大きくなると時定数が大きくなり、穏やかに減少する。○
③時定数だけ時間が経過すると0.368倍となる。 ○
④ コンデンサは図の上側が+に充電されるので、$R$の極性は逆になる。 ○
⑤ $t=0s$の電流は$i=\dfrac{E}{R}$となり、$C$とは関係ない ×