橋平礼の電験三種合格講座

過去50年分以上の電験三種の問題を解いて分かった、電験三種は今も昔も変わりません。過去問を解きながら合格を目指しましょう。

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電験三種 理論 基礎力向上テキスト-24

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第3編 過渡現象
3. 過渡現象例題

 

平成28年度 第三種電気主任技術者 理論 問10)

 図のように電圧$E[V]$の直流電源、スイッチ$S,R[\Omega]$の抵抗及び静電容量$C[F]$のコンデンサからなる回路がある。この回路において、スイッチ$S$を1側に接続してコンデンサを十分に充電した後、時刻$t=0s$でスイッチSを1側から2側に切り換えた。2側に切り換えた以降の記述として、誤っているものを次の①~⑤のうちから一つ選べ。
 ただし、自然対数の底は2.718とする。

 

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①回路の時定数は、$C$の値に比例する。
コンデンサの端子電圧$v_C$ [V]は、$R$の値[Ω]が大きいほど穏やかに減少する。
③時刻$t=0s$から回路の時定数だけ時間が経過すると、コンデンサの端子電圧$v_C [V]$は直流電源の電圧$E[V]$の0.368倍に減少する。
④抵抗の端子電圧$v_R$[V]の極性は、切り換え前と(コンデンサ充電中)と逆になる。
⑤時刻$t=0s$における回路の電流$i[A]$は、$C$の値$[F]$に関係する。



答え ⑤

※「誤っているもの」に注意
①時定数$t=CR$となる。 ○

② ①より$R$が大きくなると時定数が大きくなり、穏やかに減少する。○

③時定数だけ時間が経過すると0.368倍となる。 ○

④ コンデンサは図の上側が+に充電されるので、$R$の極性は逆になる。 ○

⑤ $t=0s$の電流は$i=\dfrac{E}{R}$となり、$C$とは関係ない ×