電験三種 理論 基礎力向上テキスト-8.2
amazon kindle版の「最新令和2年版 電験三種(理論)基礎力向上テキスト」に関する本を出版しました。
そちらも見て下さい。
2. 直流回路の法則
2.2 重ね合わせの理(重ねの理)
重ねの理は電源が2つ以上あるときに,それぞれの電源を1つとしてそれぞれの電流を計算し,電流を重ね合わせると,元の2つ以上の電源のときの電流を求めることができます。
キルヒホッフに比べ,方程式を解かなくても良いので,簡単です。ただし,電流の向きに気をつけましょう。
例題
図に示す回路に流れる電流を重ねの理を用いて計算しなさい。
ただし,$E_1=2V, E_2=12V, R_1=2\Omega, R_2=3\Omega$とする。
図(b)より,合成抵抗は$5\Omega$なので,
$I_1=\dfrac{2}{5}=0.4[A]$
図(c)より,
$I_2=\dfrac{12}{5}=2.4[A]$
よって,回路を流れる電流は$I_2$向きを正とすると
$I_2-I_1=2.4-0.4=2.0[A]$